WordPressでWebサイトを運営していると、スパム投稿や不正アクセスといった“避けて通れない課題”に直面しますよね。
そんなときに頼れるのが、Googleが提供するセキュリティツール「reCAPTCHA(リキャプチャ)」です。
このツールは、ボット(自動化されたプログラム)と人間を判別することで、フォーム送信時などの不正アクセスを未然に防ぎ、サイトの安全性を高めてくれます。
この記事では、reCAPTCHAの基本的な仕組みから、種類ごとの違い、導入方法までを初心者にもわかりやすく解説していきます。
- WordPressにreCAPTCHAを導入する目的と効果について
- v2・v3の違いと選び方のポイントについて
- 導入手順とプラグイン活用のコツについて
- 誤判定やプライバシーへの配慮など、運用時の注意点について
naluセキュリティ対策って難しそう…と思っている方も、この記事を読めば迷わず安心な一歩が踏み出せますよ!
reCAPTCHAとは?


「私はロボットではありません」って表示を、よく見かけませんか?
そんなチェックボックスや画像認証が表示される場面、実はGoogleが提供するセキュリティサービス「reCAPTCHA(リキャプチャ)」が働いています。
このツールは、Webサイトやアプリで「人間かbotか」を判定する仕組み。
ボット(bot)とは、スパム投稿や不正アクセスを自動で行うプログラムのことで、reCAPTCHAはそれらの侵入を防ぐ“見えないガードマン”のような存在です。
どうやって判定しているの?
reCAPTCHAは、ユーザーの操作や行動パターンをもとに、botか人間かを判断します。
たとえば…
- チェックボックスをクリックする動き
- 画像認証での選択の仕方
- ページ内でのマウスの動きやスクロールの仕方
こうした人間らしい動きを検知して、botによる不正なアクセスをブロックしてくれるのです。
どんな場面で使われるの?
- お問い合わせフォーム
- コメント投稿欄
- ログイン画面
- 会員登録ページ
など、ユーザーが情報を送信する場面で活躍します。
特にWordPressでは、フォームを設置する機会が多いため、reCAPTCHAの導入はスパム対策として非常に効果的です。



導入してからは、海外からの怪しい投稿が激減しました!
reCAPTCHAの種類
reCAPTCHAには、主に3つのバージョンがあります。
それぞれ認証の仕組みやユーザー体験が異なるので、ご自分の目的に応じて選択してください。
1. reCAPTCHA v2|チェックボックスで判定する定番タイプ
「私はロボットではありません」というチェックボックスを表示し、ユーザーがそれをクリックすることでbotか人間かを判定します。
判定が曖昧な場合は、画像認証(例:信号機を選ぶなど)が追加されます。


- メリット:導入が簡単で、セキュリティ性が高い
- デメリット:操作の手間がかかり、離脱の原因になることも



画像認証が何度も出ると、ちょっとイラッとしちゃいますよね…
2. reCAPTCHA v2 Invisible|見えないけどしっかり守るタイプ
チェックボックスは表示されず、フォーム送信時に自動で判定されるタイプです。
通常のユーザーには何の操作も求められず、疑わしいアクセスにのみ画像認証が表示されます。
- メリット:UIを崩さず、ユーザーのストレスが少ない
- デメリット:v2と同様、画像認証が出る可能性はある



Invisibleって名前の通り、見た目に影響がないのが嬉しい!
3. reCAPTCHA v3|完全自動でスコア判定する高度なタイプ
ユーザーの操作は一切不要。
フォーム送信時に、ユーザーの行動(マウスの動きや滞在時間など)をバックグラウンドで分析し、スコアでbotかどうかを判定します。


- メリット:UIに影響がなく、ユーザー体験を損なわない
- デメリット:誤判定のリスクがあり、運営者側の対応設計が必要



見えないけど働いてるって、まさに縁の下の力持ち!
このように、reCAPTCHAは「見た目」「操作の有無」「判定方法」によって種類が分かれています。
v2とv3、どちらを選ぶ?
- 導入の手軽さを重視するなら「v2」
- ユーザー体験(UX)を優先するなら「v3」
それぞれの特徴を踏まえて、目的別におすすめの選び方をご紹介します。
手軽に導入したいなら「v2」
v2は、チェックボックスをHTMLに埋め込むだけで導入できるシンプルな方式。
WordPressならプラグインを使えば、コード不要で設定できます。
- 導入が簡単:GoogleアカウントでAPIキーを取得 → プラグインに入力するだけ
- セキュリティ性が高い:botと疑われた場合は画像認証で二重チェック



ユーザーに操作を求めるため、フォーム送信時に手間を感じる可能性があります。
特に画像認証が繰り返されると、離脱につながることも。
UXを重視するなら「v3」
v3は、ユーザーの行動をバックグラウンドで解析し、スコアでbotかどうかを判定します。
チェックボックスも画像認証も表示されないため、ユーザーは“セキュリティ対策されていること”にすら気づかないほど自然です。
- UIに影響なし:デザインを崩さずに導入可能
- ストレスフリー:操作不要でスムーズな送信体験
💬 筆者「“守られてる感”はないけど、実はしっかり働いてるってすごい!」
当ブログはこのバージョン、v3を採用しています。
ただし、v3は誤判定のリスクがあるため、botと判断された場合の対応(例:二段階認証や管理者レビュー)を運営者側で設計する必要があります。
JavaScriptの埋め込みやサーバー側の処理も必要になるため、少し技術的な準備が必要です。
迷ったら「v2 Invisible」も選択肢に
「見た目は崩したくないけど、設定は簡単がいい…」という方には、v2 Invisibleもおすすめ。
フォーム送信時に自動判定され、疑わしい場合のみ画像認証が表示されます。
Invisibleは“ちょうどいい”バランス型。UIも守れて、導入もラク!
WordPressでreCAPTCHAを導入する手順
「セキュリティ対策って、設定が難しそう…」
そんな不安を感じている方でも、WordPressならプラグインを使って簡単にreCAPTCHAを導入できます。


Googleアカウントを準備する
reCAPTCHAはGoogleが提供するサービスなので、まずはGoogleアカウントが必要です。
すでに持っている方はそのままでOK。持っていない場合は、無料で作成できます。
Googleアカウント作成手順
- 作成ページにアクセスする
ウェブブラウザのGoogleアカウント作成ページ、またはスマートフォンの「設定」アプリから「アカウントを追加」>「Google」を選択します。 - 目的を選択する
アカウントの目的(「個人で使用」など)を選択します。 - 基本情報を入力する
氏名、生年月日、性別を入力します。 - Gmailアドレスとパスワードを作成する
希望するGmailアドレスを決め、パスワードを設定します。 - 電話番号を追加する(任意)
復旧のために電話番号を追加します。後からでも追加できます。 - 利用規約に同意する
プライバシーポリシーと利用規約を確認し、同意します。 - 完了
これでGoogleアカウントとGmailが作成されます。
reCAPTCHAのAPIキーを取得する
- Google reCAPTCHAの管理画面にアクセス
- 「新しいサイトを登録」をクリック
- ラベル(識別名)を入力
- 使用するバージョン(v2・v3)を選択
- 対象ドメインを入力(例:example.com)
- 利用規約に同意して送信
すると、「サイトキー」と「シークレットキー」が発行されます。
この2つのキーは、WordPress側の設定で使用します。



サイトキーとシークレットキーって聞くと難しそうだけど、ただのコピー&ペーストでOKです!
WordPressにプラグインを導入する
- WordPress管理画面の「プラグイン」→「新規追加」をクリック
- 「reCAPTCHA」で検索
- 評価が高く、更新頻度のあるプラグインを選んでインストール&有効化
- プラグインの設定画面で、取得した「サイトキー」と「シークレットキー」を入力
これだけで、フォームにreCAPTCHAが表示されるようになります!
おすすめのreCAPTCHAプラグイン
- reCaptcha by BestWebSoft
-
- 対応バージョン:reCAPTCHA v2・v3
- 設置場所:ログイン画面、コメント欄、登録フォーム、パスワードリセットなど
- 特徴:
- GoogleのAPIキーを入力するだけで設定完了
- WooCommerceやContact Form 7などの主要プラグインにも対応
- 定期的に更新されており、WordPress最新版との互換性も◎
- おすすめ理由:初心者でも迷わず設定できるUIと、幅広い設置箇所への対応が魅力
- Advanced noCaptcha & invisible Captcha
-
- 対応バージョン:reCAPTCHA v2・v2 Invisible
- 設置場所:ログイン、登録、コメント、Contact Form 7など
- 特徴:
- v2 Invisibleにも対応しており、UIを崩さずに導入可能
- 複数のフォームに一括で適用できる柔軟性
- 日本語環境でも安定して動作
- おすすめ理由:Invisibleタイプを使いたい方にとって、導入のしやすさと安定性が両立
- 「Invisible reCaptcha for WordPress」は以前人気でしたが、2025年時点では更新が止まっており、互換性に不安があるためおすすめから省いています。
表示確認とテスト送信
最後に、実際のフォーム画面でreCAPTCHAが表示されているか確認しましょう。
v2ならチェックボックス、v3ならバッジ(reCAPTCHAのロゴ)が表示されるはずです。
テスト送信して、正常に動作するかもチェックしておくと安心です。
reCAPTCHA導入後に気をつけたいこと
reCAPTCHAを導入すれば、スパムや不正アクセスを防げる!
…とはいえ、導入後にも気をつけたいポイントがあります。



入れたら終わり、じゃないんですよね。運用って大事!
誤判定によるユーザー離脱のリスク
特にv3では、ユーザーの行動をスコアで判定するため、正当なユーザーが“botと誤判定”されてしまう可能性があります。
- 送信できない
- エラーが出る
- 画像認証が何度も表示される
こうしたトラブルが起きると、ユーザーが離れてしまう原因に。
対策としては、以下のような設計が有効です。
- スコアが低い場合は、二段階認証やメール確認に切り替える
- エラー時の案内文を丁寧に表示する
- 問い合わせフォームに“うまく送れないときの連絡先”を記載する
プライバシーへの配慮
reCAPTCHAは、ユーザーの操作履歴や環境情報をGoogleに送信して、botかどうかを判定しています。そのために以下の点に注意が必要です。
- プライバシーポリシーにreCAPTCHAの利用を明記する
- Googleの利用規約・プライバシーポリシーへのリンクを設置する
- ユーザーに安心感を与える文言を添える
(例:セキュリティ強化のため、GoogleのreCAPTCHAを使用しています)
勝手にデータ送ってるの?って思われないように、ちゃんと説明しておくのが安心ですね
運用とメンテナンス


v3を導入する場合は、スコアの分析やフォームごとの挙動確認など、継続的なメンテナンスも必要になります。
- スコアのしきい値を調整する
- bot判定後の対応フローを設計する
- 問い合わせ対応の体制を整える
スコアのしきい値を調整する(v3の場合)
v3では、ユーザーの行動をスコアで判定します。
このスコアは「0.0(botの可能性が高い)」〜「1.0(人間の可能性が高い)」の範囲で表示され、しきい値(判定の基準)をどこに設定するかが重要です。
- 例:0.5未満はbotとみなして追加認証を促す、0.9以上は即通過など
bot判定後の対応フローを設計する
botと判定された場合、どう対応するかは運営者側の設計次第です。
たとえば…
- 二段階認証を表示する
- メール確認を求める
- 管理者レビューに回す
こうした“次の一手”を用意しておくことで、誤判定時にも柔軟に対応できます。
問い合わせ対応の体制を整える
万が一、reCAPTCHAが原因でフォーム送信に失敗した場合に備えて、問い合わせ対応の体制も整えておきましょう。
- エラー時の連絡先をフォーム下に記載
- FAQやチャットボットで案内を補足
- 管理画面で送信ログを確認できるようにしておく



うまく送れないときはここへって書いてあるだけで、安心感が全然違いますね。
reCAPTCHAの料金体系|無料でどこまで使える?
「セキュリティ対策って、費用がかかるんじゃ…?」
そんな心配をされる方も多いですが、reCAPTCHAは月間10,000件まで無料で利用できます。
以下は、2025年時点でのreCAPTCHAの料金プランです。
| プラン名 | 月間利用件数 | 月額料金 | 契約形態 |
|---|---|---|---|
| Essentials | 最大10,000件まで | 無料 | 契約なし |
| Standard | 最大100,000件まで | 一律 $8 | 月単位契約 |
| Enterprise | 100,000件超 | $8+従量課金(1,000件ごとに$1) | 月・年・カスタム契約 |
無料で使える範囲は?
- 月間10,000件までなら、どのプランでも無料で利用可能です。
- 小規模なブログや個人サイトなら、Essentialsプランで十分対応できます。
このブログは月間5,000件くらいなので、ずっと無料で使えてます!
商用サイトやアクセスが多い場合は?
- 月間10,000件を超える場合は、StandardまたはEnterpriseプランの検討が必要です。
- 特にフォーム送信が多いECサイトや会員制サービスでは、件数の把握とプラン選定が重要になります。
知らないうちに超えていた!とならないように、月間件数はチェックしておくと安心です
reCAPTCHAを解除したいときの手順
「テスト用に入れてみたけど、やっぱり外したい」
「別のセキュリティツールに切り替えたい」
そんなときは、Google Cloud ConsoleからreCAPTCHAキーを削除することで解除できます。
解除手順
- Google Cloud Consoleにログイン
- 上部のリソースセレクタで対象プロジェクトを選択
- 「reCAPTCHA」ページに移動
- 「reCAPTCHAキー」セクションで削除したいキーを選択
- 「キーの操作を表示」→「キーを削除」をクリック
- 確認ダイアログで「DELETE」と入力し、削除を確定
削除したキーは復元できないので、ほんとに解除が必要かどうかは、慎重に判断してください。
まとめ
reCAPTCHAで安心して使えるフォームをつくろう
WordPressでサイトを運営するなら、フォームのセキュリティ対策は欠かせません。
reCAPTCHAは、スパム投稿や不正アクセスを防ぎながら、ユーザーの使いやすさも守ってくれる頼れるツールです。
この記事では、reCAPTCHAの種類や違い、導入手順、運用時の注意点までを初心者にもわかりやすく解説しました。
- 手軽に導入したいなら「v2」
- UXを重視するなら「v3」
- バランス型なら「v2 Invisible」
それぞれの特徴を理解して、あなたのサイトにぴったりのreCAPTCHAを選んでみてください。
フォームが安心して使えるようになると、読者との信頼も深まり、問い合わせ対応の効率化にもつながります。
まずは一歩、セキュリティ強化を始めてみましょう!





