悩みや愚痴を聞くときに大切にしたい“聞き方”
「こころに寄り添う会話のコツ」
「誰かの話を“ちゃんと聞くこと”って、案外むずかしいな…」と思ったことはありませんか?
「大切な人の悩みや愚痴を聞いているうちに、つい口を出してしまった…」
「どう返したらいいのかわからなくて沈黙に…」
そんな経験はありませんか?
この記事では、「話をじっくり聞くための小さなコツ」を、心理的な視点とともにご紹介します。
話を聞くときにやりがちなNG行動
アドバイスや「正論」で返す(=説教に聞こえてしまう)
たとえば、“自分が正しい”ことを証明しようとしたり、つい論理的に相手を諭してしまったり…。
そういった会話は、知らず知らずのうちに「論破するためのコミュニケーション」になりがちです。
例えば‥

最近デートの回数が減って、ラインの返事もあまりしてくれないんだよね...



そんなこと言っても仕方ないでしょ。いつも同じようなこと言ってるじゃん。
または、



今日、仕事でミスしちゃって…



え?なんで?そんなこともできないの?普通、そんなミスしないよ
など。
このような“正論”は、相手の心を閉ざしてしまう場合も。
これはロジカルハラスメント(=ロジハラ)と呼ばれることもあります。
まずは「どれだけ正しいか」より、「どれだけ寄り添えているか」を大切にしたいところです。
自分の経験ばかり話す(=主導権を奪ってしまう)
相手の話を聞くなかで、「私もそうだったよ〜!」と、自分の経験談で励ましたくなることもありますよね。
ただそのつもりがなくても、会話の主導権を自然と奪ってしまっている場合も。
悩みを打ち明けるとき、たいていの人は“答え”よりも、「いまの気持ちをわかってほしい」と感じていることが多いのです。
アドバイスではなく、「うん、聞いてるよ」の姿勢でそっと寄り添うことが、なによりの安心になります。


「どうしてあげたらいいだろう」と考えすぎて、聞けなくなる
早く力になりたくて、つい“解決策”を頭の中で探してしまうこともありますよね。
その気持ちはやさしさの表れで、もちろん素晴らしいことでもあります。
けれどあまりに“答え”に意識を向けすぎてしまうと、相手の言葉がちゃんと入ってこなくなることがあります。
まずは、最後まで相手の話を聞くことに集中してみましょう。
そのあとで、必要に応じて「聞かせてくれてありがとう。どうしたいか一緒に考えてみようか」と言えたら、それだけでも十分な“支え”になるはずです。
「よかれと思って…」の行動が、すれ違いに?
どれも「相手のために」と思っての行動かもしれませんね。でも、その行動が本当に今の相手の望んでいることなのか、少し立ち止まって考えてみるのも大切だと思います。そうすることで、より寄り添った関わり方ができるのではないでしょうか。
聞き上手になるための3つのコツ


NG行動を振り返ったところで、ここからは「じゃあどうしたらいいの?」という実践、“聞き上手になるための3つのコツ”をご紹介します。
「自分が話す側だったら、こうされると安心するな」という視点でも、思い浮かべながら読んでいただけたら嬉しいです。
1つ目のコツ:アドバイスは封印、ただ「受け止める」
アドバイスや励ましは、ときに「正しさの押しつけ」や「上から目線」に感じられてしまうこともあります。
誰かに悩みを打ち明けるとき、人はまだ心の中を整理している段階。
まずは“話せてよかった”という気持ちを邪魔しないよう、答えを出すことよりも「そのまま受け止めること」を意識してみてください。
カタルシス効果:
「ただ話を聞いてもらうだけ」で心のモヤモヤが軽くなることがあります。言葉より、“聞いてくれた”という事実が効く場合もあるんです。
カタルシス効果の具体例とは
感動する映画を観て泣く:感情を解放し、スッキリする。
誰かに悩みを話す:気持ちを整理し、楽になる。
スポーツで汗を流す:ストレスを発散し、爽快感を得る。
カウンセリングを受ける:専門家のサポートで、心の奥底にある感情に気づき、解放する。
2つ目のコツ:あいづち・共感のリアクションを丁寧に
「うんうん」「それはつらかったね」「わかる気がするなあ」──
そんな小さな一言が、相手にとっては「受け止めてもらえた」という安心感につながります。
特に相づちは、タイミングと相手と同じトーンであることが大切です。
あいづち言葉の例



「うんうん、つらいよね」
「それから、どうなったの?」
「そうなんだ~、わかるよ」
このような肯定の言葉で受け止める感じです。
また、前回の記事でご紹介したバックトラッキング(相手の言葉を少し繰り返すテクニック)を使うこともしっかり話を聞いているサインになります。
例えば



仕事で疲れて…



そっかぁ、疲れちゃったんだね
疲れたという同じワードを使い共感する感じの受け答えです。
前回の記事はこちらです。


3つ目のコツ:聞く姿勢を整える(非言語コミュニケーション)


言葉だけでなく、身体の向きや姿勢、目線も、相手に伝わる大きなサインになります。
身体の“へそ”を相手に向ける、という非言語のテクニックがあります。これは身体をやや相手側に向け、へそを正面に、ほんの少し前かがみの姿勢をとることです。
「あなたの話に集中していますよ」というメッセージが、言葉以上に伝わります。
性別による聞き方の違い



最近友達とうまくいかなくて、どうしてかなあって悩んでるの



なんでそんな事で悩むの?たいしたことではないじゃん



まだ話したい事があったのに。。
この様にいきなり否定されてしまったり、
または、



職場のお世話になっている女性によく誘われるんだけど、気を使うし楽しめないんだ



その人だって寂しいんだから、話し相手になってあげたほうがいいんじゃないの?



お世話になってる人のことよくそんな言い方できるな。
こういう風にすればいいのでは?とこちらの気持ちに寄り添わないアドバイスをされてしまったり。。
特に男性には、“感情に共感するよりも、解決策を考える”という傾向があると言われています。



もちろんすべての人がそうではありませんが…
その問題を解決すれば、その悩みは消えるだろう、といった具合に、論理的な人が多いのです。男性と女性で脳のつくりが違うことが原因とも言われていますが、そこも踏まえて、この人は優しくないなと決めつけないであげましょう。あくまでも良かれと思ってしている行為ですので。
論理的な考え方をする男性・女性にする相談は解決してほしい問題に直面したときに頼りにすると、とても力を発揮した答えを導き出してくれますよ。
まとめ
悩みや愚痴を打ち明けるとき、人は「答え」を求めているとは限りません。
まずは“安心して話せる空気”があること、それが心の余裕につながります。
今回ご紹介した3つのコツ──
アドバイスを急がず受け止めること、
やさしいあいづちや共感のリアクション、
そして“聴く姿勢”を整えること
どれも特別な技術ではなく、意識すれば日常の中に取り入れられるものです。
聞いてもらえた、という感覚だけで、人の心はふっと軽くなることがあります。
「正しいことを言う」より、「そばにいるよ」と受け止める気持ちを。
今日からできる小さな「聞く力」を、あなたの大切な人との会話に、そっと重ねてみてくださいね。
心理カウンセラー講座で学んだことを、日々のコミュニケーションに活かしたくて、少しずつ記事にまとめています。
自分の忘備録として、そしてどなたかにとってのヒントになったら嬉しいです。お読みいただき有難うございました