猫を新しい家に迎えたとき、隠れたまま出てこなかったり、ごはんを食べなかったりする姿を見ると「ずっとこのままなのかな?」と不安になりますよね。
でも大丈夫です。猫が環境に慣れるのには時間がかかりますが、必ず少しずつ心を開いてくれます。
- 慣れるのが遅い猫への対処法
- 段階別のサポート方法と注意点
- 猫が新しい家に慣れるまでの期間の目安
- 1日目・1週間・1ヶ月・3ヶ月ごとの変化
この記事では、猫が新居に慣れるまでの期間を段階ごとに解説します。じゅにあも初日は落ち着かず心配しましたが、今では家中をわがもの顔で歩き回っています。焦らず猫のペースを尊重することが、信頼関係を築く第一歩です。
猫が新しい家に慣れるまでの期間は平均1〜3ヶ月
猫が新しい環境に完全に慣れるまでには、平均して1〜3ヶ月かかるといわれています。ただし、これはあくまで目安。猫の性格や年齢、過去の経験によって大きく異なります。

社交的で好奇心旺盛な猫なら数日で慣れることもあれば、警戒心の強い猫や保護猫の場合は半年以上かかるケースもあります。大切なのは、猫のペースに合わせて見守る姿勢です。
慣れるまでの期間に影響する要因
- 先住猫の有無
- 年齢(子猫は適応が早い傾向)
- 猫の性格(社交的か警戒心が強いか)
- 過去の経験(保護猫は時間がかかりやすい)
- 環境の変化の大きさ(引っ越しか新入りか)
焦らずゆっくり待つことが、結果的に早く慣れる近道になります。
【1日目】静かに見守る時期|やってはいけないこと
新しい家に来た初日の猫は、強い緊張とストレスを抱えています。知らない場所、知らないにおい、知らない人。猫にとってはすべてが不安材料です。

1日目によく見られる行動
- 瞳孔が開いたまま
- じっとして動かない
- ごはんや水を口にしない
- 部屋の隅や家具の下に隠れる
- ケージやキャリーから出てこない
これは正常な反応。無理に引っ張り出したりするのは逆効果。
初日にやってはいけないNG行動
- 追いかけ回す
- じっと見つめる
- 大きな音を立てる
- 何度も話しかける
- 無理やり触ろうとする
初日は「そっとしておく」が鉄則。トイレと水、フードを設置したら、あとは猫が自分から動き出すまで静かに待ちましょう。隠れ場所を確保してあげることも大切です。
【1週間】少しずつ探索を始める時期
1週間ほど経つと、多くの猫が少しずつ周囲を探索し始めます。最初は夜中にこっそり動き回り、昼間は隠れていることが多いです。

1週間目に見られる変化
- トイレを使い始める
- ごはんを食べるようになる
- 人がいない時に姿を見せる
- 安全な場所を確認している
- 夜中に部屋を歩き回るようになる
この時期は、猫が「この家は安全かもしれない」と判断し始める大切な段階。無理に交流しようとせず、猫から近づいてくるのを待ちましょう。
1週間目のサポート方法
- トイレは常に清潔に保つ
- 遊びに誘うのはまだ早い
- 同じ場所でごはんを与える
- 大きな音や急な動きを避ける
- 部屋のドアを開けて選択肢を与える
【1ヶ月】生活リズムが確立する時期
1ヶ月経つ頃には、猫も新しい家の間取りやルールを理解し始めます。トイレの場所、ごはんの時間、安全な場所。日常生活の基本が確立される時期です。

1ヶ月目に見られる変化
- 甘える仕草が出てくる
- おもちゃに反応し始める
- 決まった寝場所ができる
- ごはんやおやつに興味を示す
- 人がいても姿を見せるようになる
ここからは積極的にコミュニケーションを取りましょう。ただし、猫が嫌がる素振りを見せたらすぐに引くこと。信頼関係は一進一退です。
1ヶ月目のサポート方法
- 無理に抱っこはしない
- 短時間の遊びから始める
- 優しく声をかける習慣をつける
- 猫から寄ってきたら優しく撫でる
- 名前を呼んでごはんやおやつを与える
【3ヶ月】完全に馴染む時期
3ヶ月も経てば、ほとんどの猫が新しい環境に完全に慣れています。家族の一員として、自由に振る舞うようになります。

3ヶ月目に見られる変化
- 呼ぶと反応する
- 家中を自由に歩き回る
- 甘えてすり寄ってくる
- 活発に遊ぶようになる
- リラックスした寝姿を見せる
ここまで来れば一安心。ただし、猫によっては3ヶ月以上かかることもあるので、まだ警戒心が残っていても焦る必要はありません。
慣れるのが遅い猫への対処法
半年経っても隠れたまま、人に慣れない。そんな猫もいます。特に保護猫や、過去に怖い経験をした猫は時間がかかります。

慣れるのが遅い猫の特徴
- 常に警戒している
- 触ろうとすると逃げる
- 物音に敏感に反応する
- ごはんも人がいない時しか食べない
こうした猫には、さらに忍耐が必要です。でも、決して諦めないでください。時間をかければ必ず心を開いてくれます。
時間がかかる猫へのアプローチ
- フェロモン製品を活用する
- 小さな声で優しく話しかける
- おやつで少しずつ距離を縮める
- 毎日決まった時間にごはんを与える
- 無理に触らず、同じ空間にいる時間を増やす
先住猫がいる場合の慣れさせ方
先住猫がいる場合、新入り猫は「家」だけでなく「先住猫」にも慣れる必要があります。そのため、時間がさらにかかることもあります。
先住猫がいる時の対面の手順
- 新入り猫を別室で隔離(1〜2週間)
- においの交換(タオルやおもちゃ)
- ケージ越しの対面
- 短時間の直接対面
- 自由に行き来できるようにする
それぞれの段階で、両方の猫がストレスを感じていないか確認しながら進めましょう。焦りは禁物です。
先住猫との対面についてはこちらの記事で詳しく説明しています

引っ越しで環境が変わった時の対応
もともと一緒に暮らしていた猫でも、引っ越しは大きなストレス。
慣れた家を離れることは、猫には不安の原因になります。

引っ越し後の猫の様子
- 隠れてしまう
- 食欲が落ちる
- 夜鳴きが増える
- 落ち着かない様子を見せる
引っ越し後は、できるだけ以前と同じレイアウトでトイレやベッドを配置しましょう。においの染みついた毛布やおもちゃも持っていくと安心します。
通常、引っ越しの場合は1〜2週間で慣れることが多いです。まったく新しい猫を迎えるよりは早いでしょう。
慣れのサインを見逃さない
猫が少しずつ慣れてきているかどうかは、日々の行動から読み取れます。小さな変化に気づいて、褒めてあげましょう。
慣れてきたサイン
- 遊びに誘うと応じる
- 喉をゴロゴロ鳴らす
- ごはんを人前で食べる
- 自分から近づいてくる
- 人がいても隠れなくなる
- 香箱座りやヘソ天で寝る
これらのサインが見られたら、猫は「この家は安全だ」と感じている証拠。少しずつスキンシップを増やしていきましょう。
よくある質問と対処法

ごはんを食べないときは?
1〜2日ごはんを食べなくても、水を飲んでいれば様子を見て大丈夫。3日以上食べない場合は、動物病院に相談を。
ウェットフードや好物のおやつで食欲を刺激するのも有効です。
トイレを使わないときは?
トイレの場所が気に入らない可能性があります。静かで人通りの少ない場所に設置しているか確認しましょう。
猫砂の種類を変えてみるのも一つの方法です。
トイレの工夫についてはこちらの記事も参考になります

いつまで隠れているの?
個体差がありますが、1週間以上隠れたままなら、隠れ場所の近くにトイレとごはんを置いてあげましょう。まず、猫にとって安心できる環境を整えることを優先しましょう。
まとめ
猫が新しい家に慣れるまでの期間は平均1〜3ヶ月。ただし、性格や過去の経験によって大きく変わります。
初日はそっと見守り、1週間で少しずつ探索を始め、1ヶ月で生活リズムが確立し、3ヶ月で完全に馴染む。この流れを知っておくと、焦らず対応できます。
大切なのは、猫のペースを尊重すること。無理に触ろうとしたり、急かしたりせず、猫が自分から心を開いてくれるのを待ちましょう。時間はかかりますが、信頼関係は必ず築けます。ゆっくり、のんびり、猫との新生活を楽しんでくださいね。

