ブリーダーから猫を迎えるメリット・デメリット・注意点をリアルに解説

ブリーダーから猫を迎えることには、親猫の様子を確認できたり、専門家からアドバイスをもらえたりと魅力的なメリットがあります。しかし同時に、その専門性や環境が玉石混交であるため、ブリーダー選びを間違えると深刻なトラブルに巻き込まれるリスクがあることを知っておく必要があります。

この記事で分かること
  • 優良ブリーダーと悪質ブリーダーの見極め方
  • ブリーダーを訪問する際のチェックポイント
  • ブリーダーから猫を迎えるメリットとデメリット
  • ブリーダー選びで失敗しないための具体的な方法

実は、ブリーダー業界には無責任な繁殖を行う業者も少なくなく、「ブリーダーに言われた通りに飼育したのに、猫が病気になった」という声も耳にします。また、なぜこの仕事をしているのか理解しがたいほど、猫への愛情が感じられないブリーダーに出会って不信感を抱いた方もいるでしょう。

わたし自身、ブリーダーを訪問した経験から、「この人は本当に猫のことを考えているのかな」と疑問に感じたこともあります。だからこそ、これからブリーダーから猫を迎えようと考えている方には、良い面も悪い面も理解した上で、慎重に選んでほしいと思っています。

この記事では、ブリーダーから猫を迎えるメリットとデメリット、そして信頼できるブリーダーの見極め方を詳しく解説します。

Contents

ブリーダーから猫を迎えるメリット

まずは、ブリーダーから猫を迎える魅力的なメリットから見ていきましょう。特定の品種にこだわりたい方や、猫の生育環境を重視したい方にとって、ブリーダーは有力な選択肢の一つです。

親猫や生育環境を直接確認できる

ブリーダーから迎える最大のメリットは、親猫の様子や子猫が育った環境を自分の目で確認できることです。親猫の性格や健康状態を見ることで、子猫がどのように成長するか予測しやすくなります。

ペットショップでは親猫の情報がほとんど分からないことも多いですが、ブリーダーなら親猫と対面できますし、どんな環境で育ったかも把握できます。清潔な猫舎で大切に育てられた子猫は、健康面でも精神面でも安定していることが多いです。

専門知識を持つブリーダーからアドバイスがもらえる

優良なブリーダーは、その品種に関する深い知識と長年の経験を持っています。性格の特徴、かかりやすい病気、日常的なケアのコツなど、実践的なアドバイスを直接もらえるのは心強いポイントです。

迎えた後も相談に乗ってくれるブリーダーは多く、困ったときに品種の専門知識に基づいたアドバイスをもらえるのは大きな安心材料になります。

血統書付きで健康管理が明確

ブリーダーから迎える猫は、血統書が付いていることがほとんどです。遺伝的な情報が明確なので、将来的にかかりやすい病気を予測しやすく、予防的なケアもしやすくなります。

また、ワクチン接種や健康診断の記録もしっかり管理されているため、医療面での履歴が明確なのもメリットといえます。

ペットショップより価格が抑えられる場合がある

ブリーダーから直接迎える場合、ペットショップのような中間マージンがかからないため、同じ品種でも適正な価格で取引できることがあります。

ただし、これは優良ブリーダーに限った話です。適正な飼育環境を整え、健康管理に費用をかけているブリーダーの場合、必ずしも安価というわけではありません。

ブリーダーから猫を迎えるデメリットとリスク

メリットがある一方で、ブリーダーから猫を迎えることには見過ごせないデメリットやリスクも存在します。特に、ブリーダー選びを間違えると深刻なトラブルに発展する可能性があるので、慎重な判断が必要です。

悪質なブリーダーが存在する

残念ながら、ブリーダー業界には利益優先で無責任な繁殖を行う業者も少なくありません。母猫に過度な負担をかけて何度も出産させたり、劣悪な環境で多頭飼育していたりするケースも報告されています。

実際に、「見学に行ったら猫舎が不衛生だった」「迎えてすぐに病気が発覚した」という声も多く聞かれます。こうした悪質なブリーダーから猫を迎えてしまうと、猫の健康問題だけでなく、精神的な負担も大きくなってしまいます。

ブリーダーの助言を過信するリスク

ブリーダーは特定の品種に詳しくても、必ずしも猫全般や最新の獣医学に精通しているわけではありません。「ブリーダーがこう言ったから」と鵜呑みにして、適切な医療を受けさせなかったために猫の体調が悪化したケースもあります。

例えば、「この品種はワクチンは不要」「キャットフードよりも手作りご飯がいい」といった、科学的根拠に乏しいアドバイスをするブリーダーもいます。ブリーダーの言葉は参考程度にとどめ、最終的には獣医師の意見を優先するのが賢明です。

ブリーダーの動機が不透明な場合がある

猫を心から愛し、より良い血統を残したいという情熱を持つブリーダーがいる一方で、商業的・金銭的目的が優先されているブリーダーも存在します。

「猫への愛情が全く感じられない」「質問しても面倒くさそうに答える」「お金の話ばかりする」といったブリーダーに出会い、不信感を抱いた方も多いのではないでしょうか。本来、ブリーダーは猫の幸せを第一に考えるべき職業ですが、実際には金銭目的だけで繁殖を続けている人もいるのが現実です。

訪問や見学に時間がかかる

信頼できるブリーダーを見つけるには、複数の猫舎を訪問して比較検討する必要があります。また、ブリーダーは都市部から離れた場所にいることも多く、アクセスに時間がかかる場合もあります。

さらに、予約制のブリーダーがほとんどなので、気軽にふらっと立ち寄るというわけにはいきません。仕事や家庭の都合で時間が取りにくい方には、少しハードルが高く感じられるかもしれません。

ブリーダーから猫を迎えるメリット・デメリット比較表

項目メリットデメリット
生育環境親猫や飼育環境を直接確認できる悪質な環境のブリーダーも存在する
専門知識品種特有の知識やアドバイスが得られる助言が必ずしも正しいとは限らない
健康管理血統や医療記録が明確健康問題を隠すブリーダーもいる
価格中間マージンがなく抑えられる場合も優良ブリーダーは相応の価格設定
アクセス専門家と直接つながりが持てる訪問や見学に時間がかかる
信頼性優良ブリーダーなら長期的なサポート悪質業者を見極める必要がある

優良ブリーダーと悪質ブリーダーの見極め方

ブリーダーから猫を迎える際、最も重要なのは「優良なブリーダーを選ぶこと」です。では、どのようなポイントで判断すればよいのでしょうか。

見学を快く受け入れてくれるか

優良ブリーダーは、必ず見学を勧めてくれます。「見学なしで販売」「写真だけで決めてほしい」と言うブリーダーは、何か隠したいことがある可能性が高いので避けるべきです。

見学時には、猫舎の清潔さ、猫たちの様子、親猫の健康状態などをしっかりチェックしましょう。臭いがきつい、猫が怯えている、狭いケージに詰め込まれているといった状況は、明らかに悪質なサインです。

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予約をして見学に行ったのに、「今は猫舎の掃除をしているから」と、該当の猫のみ玄関前に連れてきたブリーダーがいました。

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夏場にもかかわらず、エアコン(冷暖房器具)なしのプレハブ小屋のケージに親猫を入れていたブリーダーもいました。

質問に丁寧に答えてくれるか

優良なブリーダーは、猫に関するどんな質問にも丁寧に答えてくれます。品種の特徴、親猫の性格、過去の出産歴、健康管理の方法など、聞きたいことを気軽に質問できる雰囲気があるかどうかも重要なポイントです。

逆に、質問を避ける、曖昧な返答しかしない、イライラした様子を見せるようなブリーダーは信頼できません。

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辛口コメントになりますが、ブリーダーの販売サイトに登録している猫舎は、評価のために販売が完了するまでは、親切ということもあります。

飼い主の生活環境を確認してくれるか

本当に猫のことを考えているブリーダーは、迎える側の生活環境や飼育経験についても詳しく聞いてきます。「猫が幸せに暮らせる環境か」を確認するのは、責任あるブリーダーの証です。

何も聞かずに「お金を払えば誰にでも売る」というスタンスのブリーダーは、猫の幸せよりも利益を優先している可能性があります。

契約内容が明確で誠実か

優良ブリーダーは、動物愛護管理法に基づき契約内容を書面で明確に示してくれます。健康保証の期間や条件、万が一のときの対応、アフターフォローの内容などがしっかり記載されているかを確認しましょう。

口頭での約束だけで済ませようとするブリーダーや、契約書がないブリーダーは避けるべきです。

ブリーダー訪問時の具体的なチェックポイント

実際にブリーダーを訪問する際、以下のポイントを確認することで、そのブリーダーが信頼できるかどうか判断しやすくなります。

飼育環境のチェックリスト

  • 猫舎は清潔で十分な広さがあるか
  • 換気がしっかりされているか
  • 猫たちが自由に動ける空間があるか
  • トイレは清潔に管理されているか
  • 適切な温度・湿度が保たれているか

猫たちの様子のチェックリスト

  • 猫たちは健康そうで毛艶が良いか
  • 人懐っこく、ストレスを感じていないか
  • 目や鼻に異常な分泌物がないか
  • 極端に痩せたり太ったりしていないか
  • 親猫は疲弊した様子がないか

ブリーダーの対応のチェックリスト

  • 猫への愛情が言動から感じられるか
  • 質問に対して具体的で誠実な回答があるか
  • 猫の欠点や注意点も正直に話してくれるか
  • 飼育後のサポート体制について説明があるか
  • 強引な販売をしてこないか

これらのチェックポイントで一つでも不安な点があれば、別のブリーダーを探すことをおすすめします。「何となく違和感がある」という直感も大切にしてください。

ブリーダーを選ぶ際の注意点

ブリーダー選びで失敗しないために、以下の点にも注意しましょう。

複数のブリーダーを比較する

一つのブリーダーだけで決めず、可能であれば3〜5軒ほど訪問して比較検討するのが理想的です。比較することで、良いブリーダーと悪いブリーダーの違いが見えてきます。

時間はかかりますが、10年以上ともに過ごす家族を迎えるのですから、慎重すぎるくらいがちょうどいいのです。

動物取扱業の登録を確認する

日本では、ブリーダー業を行うには動物取扱業の登録が必要です。登録証を見せてもらい、登録番号や有効期限を確認しましょう。無登録で営業しているブリーダーは違法ですので、絶対に利用してはいけません。

価格だけで判断しない

「安いから」という理由だけでブリーダーを選ぶのは危険です。適正な飼育環境を整え、健康管理に費用をかけているブリーダーは、それ相応の価格になります。

極端に安い場合は、飼育環境が劣悪だったり、健康管理が不十分だったりする可能性があります。価格は一つの目安にはなりますが、総合的に判断することが大切です。

アフターフォローの有無を確認する

猫を迎えた後も相談に乗ってくれるか、定期的な連絡を取り合えるかなど、アフターフォローの体制を確認しましょう。優良なブリーダーは、猫を迎えた後も飼い主と長い付き合いを続けてくれます。

「売ったら終わり」というスタンスのブリーダーは、猫の幸せを本気で考えているとは言えません。

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私の経験上、よく猫種が入れ替わる、複数の猫種を扱っているブリーダーさんは要注意です。

ブリーダー以外の選択肢も視野に入れる

ここまで読んで、「ブリーダー選びって大変そう」「自分には向いていないかも」と感じた方もいるかもしれません。そんな方は、無理にブリーダーから迎える必要はありません。

保護猫やペットショップなど、他の選択肢も検討してみてください。大切なのは、自分が納得できる方法で、最後まで責任を持って猫を家族として迎えることです。

※関連記事

どの方法を選んでも、猫との幸せな暮らしは実現できます。あなたに合った方法で、素敵な出会いを見つけてくださいね。

まとめ

ブリーダーから猫を迎えることには、親猫を確認できたり専門的なアドバイスがもらえたりというメリットがある一方で、悪質なブリーダーの存在や助言の過信といったリスクもあります。優良なブリーダーを見極めるには、必ず見学に行き、飼育環境や猫たちの様子、ブリーダーの対応を総合的にチェックすることが大切です。

ブリーダーだから安心、と過信せず、複数のブリーダーを比較検討し、少しでも不安を感じたら別の選択肢を探す勇気も必要です。時間と手間はかかりますが、信頼できるブリーダーから迎えた猫は、きっとあなたの人生を豊かにしてくれるはずです。

納得のいくブリーダー選びができるよう、この記事が参考になれば嬉しいです。あなたと猫の素敵な出会いを心から応援しています。

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