猫は言葉を話しませんが、しっぽや耳、目の動きでたくさんの気持ちを伝えてくれています。
この記事では、猫のボディランゲージを「しっぽ」「耳」「目」の3つのパーツに分けて、イラスト付きでわかりやすく解説します。
これから猫を迎える方はもちろん、猫との距離を縮めたい方にぜひ読んでいただきたい内容です。
猫の気持ちはしぐさでわかる
- 猫のしっぽの動きからわかる気持ち
- 耳の向きや形で読み取れる感情
- 目の表情や瞳孔の変化による心理状態
- 猫との信頼関係を築くための接し方のコツ
- 一歩踏み込んだ猫の観察ポイント
猫のしっぽの役割

猫のしっぽは、とても重要な役割を担っています。
主な役割は以下の2つです。
- 気持ちを表現する
猫はしっぽを動かすことで気持ちを表現しています。
しっぽの様子を観察することで、その時々の猫の感情を汲み取ることができます。 - バランスを保つ
猫はしっぽでからだのバランスをとっています。
不安定な場所でも素早く動けるのは、しっぽが骨盤の位置を調整しているからです。
しっぽの動きでわかる猫の気持ち
猫のしっぽの動きには、以下のような感情が表れます。

上向き
しっぽを高く上げて歩いていれば、自信に満ちているということ。
また、先端だけカーブさせるのは、友好的で遊びたがっているということ。
水平
しっぽを床と水平にあげるのは、友好的な場合もありますが、遊ぼうかな、などと迷っているということ。
下向き
しっぽを下げているときには、いくつか理由があり、獲物に忍び寄るとき、恐怖を感じているとき。
しっぽを脚の間に挟んでいるようなときは、極度に緊張しているということ。
毛を逆立てる
しっぽの毛が逆立っていたら、戦闘準備が整ったということもあれば、危険を感じているということ。
興奮して遊んでいるときにもよく見られます。
鞭のように打つ
しっぽを鞭のように打つのは、今すぐ攻撃をしようとしているか、身を守ろうとしているということ。
ピクピクッと小さく動かすのは欲求不満やイライラを表しているということ。
猫のしっぽには尾骨神経が通っており、骨盤神経・陰部神経・下腹神経とつながっています。
軽い気持ちで引っ張ると、神経に影響を及ぼし「猫ふんじゃった症候群」と呼ばれる障害を引き起こす可能性があります。
「猫ふんじゃった症候群」は、童謡の「ねこふんじゃった」から連想された表現で、正式な病名ではありません。
主な症状:
- 歩行障害
- 排尿・排便障害
- 下半身の麻痺や違和感
しっぽを痛がる、動きがおかしいなど、猫に異常が見られた場合はすぐに動物病院へ。
骨折の疑いがある場合も、無理に動かさず早めの受診を。
猫の耳のすごさ
猫は五感の中でも聴覚が最も優れており、人間には聞こえない超音波も感知できます。

- 片耳ずつ180度あらゆる方向に動かせる
耳を動かす筋肉が発達しているため、耳の角度を調整して音源の方向や距離を正確に判断できます。 - 高周波を聞き取れる
人間の可聴域が約2万Hzに対し、猫は6万5千Hz以上。 - バランス感覚を支えている
耳の内側にある三半規管が発達しており、高い場所からの着地など、優れたバランス感覚にも貢献しています。 - 感情を表現するツールとしても使える
耳の向きや動きは、猫の気持ちを伝える重要なサイン。
耳の向きで読み取る感情
耳は「気持ちの最初に表れる部分」。

耳を立てる
周りの音をよく聞こうとしていたり、情報を集めているということ。
リラックスしているときは、立てている耳を少し横に。
耳を寝かせる
耳をぺたんと寝かせているのは怒っていたり、怖いと思っているということ。
喧嘩中に寝かせた耳を下方向に向けている時はゴメンナサイ、参りましたということ。
耳を平らにして横に向ける
耳を後ろに伏せて耳先だけ上に向けている時は、何かに不満がありイライラしているということ。
イカに似ていることから「イカ耳」などとも呼ばれています。
情報を集める
猫の耳が後ろ向きの時は、周囲の音に注意を向け、攻撃に備えて身を守ろうとしているということ。
猫は耳でいろんな感情を伝えています。
耳の動きを見ながら気持ちを理解できれば、今よりも猫とのコミュニケーションが楽しくなりますよ。
猫の目の特徴

- 人と同じくらい大きな眼球
- 縦長の瞳孔で光量を調整
- 暗闇でもよく見える(人の1/7の光量で視認可能)
- 昼間の視力は人の1/10
- 動体視力は人の4倍
- 距離感の把握が得意
- 色の判別は青・緑・黄色のみ
猫にはどんな風に見えてる?
上が人間、下が猫から見える画像です。
おもちゃのカラー選びのヒントになるかもしれませんね。


目の表情からわかる心理状態
猫の心理状態は、目の表情、特に目の大きさとまばたきから読み取れます。

キラキラした上目遣い
ねこが目をキラキラ輝かせている時は、好奇心や楽しいことへの期待をしているということ。
目を細める
猫が目を細めるのは敵意がないことを示し、相手に心を許しているということ。
「大好き」「信頼してるよ」ということ。
瞬きする
猫のゆっくりとした瞬きは、猫からの「好きだよ」「信頼しているよ」というポジティブな気持ちのこと。
半目気味
寝る前のリラックスした状態や、飼い主を信頼し、安心して過ごしているということ。
目を反らす
目を合わせることが敵意と見なされる猫の世界では、目をそらすことで「ケンカするつもりはない」という意思表示のこと。
瞳孔が開いている
猫の目の動向が開いているときは、暗い場所で見えにくくしている場合や、おもちゃで遊んでいるときや、何かに対して強い興味や興奮して感じているということ。
遠い目
猫が遠い目をしているのは、心の中で満足したり、リラックスして物事を深く考えたり、または無関心、ということ。
猫のしぐさを読み取るコツ
目、耳、尻尾、体の姿勢、そして行動の全体像を観察します。例えば、ピンと立った尻尾は喜び、ふくらんだ尻尾は警戒心を示し、耳の動きは興味や不満を伝えます。信頼しているときにはゆっくり瞬きをしたり、お腹を見せたりします。
猫の性格や過去の経験も考慮し、「その子らしさ」を尊重することが大切です。
まとめ
- 猫はしっぽ・耳・目で気持ちを伝えている
- 信頼関係を築くには、猫の気持ちを尊重することが第一歩
- 組み合わせで読むことで、より深く猫の心理を理解できる
猫のしっぽ・耳・目には、たくさんの気持ちが込められています。
今どんな気持ちなのか知りたいときは、ぜひじっくり観察してみてください。

