猫は人間よりも早く歳を重ね、ライフステージごとに必要なケアが大きく変わります。
この記事では、仔猫期・成猫期・シニア期の3つのステージを中心に、猫の成長と変化、そしてそれぞれの時期に必要な暮らしの工夫をわかりやすく解説します。猫との暮らしをより安心で快適にするためのヒントが満載です。
ひと目でわかる猫の成長段階表
こちらの表は3段階で作りましたが、もっと細かく分けると、青年期、壮年期もあります。
猫年齢でいうと、青年期は7ヶ月~2歳、壮年期は7歳~10歳です。

猫の平均寿命
猫は15歳くらいまで生きるのが普通です。人でいうと、76歳くらいです。
飼い猫の平均寿命は、完全室内飼いと外に出る猫ではことなり、以下のようになります。
- 完全室内飼い 16.34歳
- 外に出る猫 14.24歳
- 出典 一般社団法人ペットフード協会 2024年に発表された調査結果
完全室内飼いの猫は外にも出る猫に比べて、平均寿命に約2歳の差があります。
長生きのために完全室内飼いの検討も重要です。
平均寿命に約2歳の差がある理由は、交通事故、他の猫とのケンカ、感染症、外敵からの攻撃などの危険にさらされるリスクが少ないためです。
安全な室内環境で暮らすことで、事故や病気による命を落とす可能性が低くなり、結果として寿命が長くなるという調査結果です。
仔猫期
猫の妊娠期間はわずか60日ほど。まだ仔猫の成長が未熟な状態で出産をむかえます。
生後1週間~の猫
体重の目安は80g~200gです。
食事は、2週目まで仔猫用ミルク、3週目からはミルクと離乳食を与えます。
排泄は、人が刺激して排泄。トイレトレーニングは3週目ごろから始めましょう。
この頃は、以下のようなお世話が必要です。
- おしりを刺激して排泄させる
- 数時間おきにミルクを飲ませる
- 体重は毎日10gほど増えているか確認する
- 体を冷やさないように暖かい寝場所を準備する
生後1週間ほどで目が開きますが、まだよく見えていません。
nalu母猫や人間のお世話なしでは、命を落としてしまうので細心の注意が必要!ですが、2週間もすればよちよち歩きが出来るようになります。
仔猫の排泄のさせ方
自力で排泄できないので、必ず授乳のたびに行いましょう。
固形物を食べるようになるまでは仔猫のウンチは少なめです。


授乳のあとに、お湯で湿らせたガーゼやティッシュで肛門付近をやさしくトントンと刺激してあげると排泄します。
仔猫のミルクの飲ませ方
ミルクは猫の体温と同じ38℃程で与えます。
また、仰向けで与えると誤嚥の危険があるので、必ず以下のようにして与えましょう。


仔猫の顔を斜め上に向けて、仔猫用の哺乳瓶の先をくわえさせます。
哺乳瓶に吸い付かない仔には、シリンジで少しずつ与えます。
生後1~3ヶ月の子猫
体重の目安は400g~1.5kgです。
食事は、2週目まで仔猫用ミルク、3週目からはミルクと離乳食を与えます。
トイレトレーニングを本格的に始めましょう。
- 生後3週ほどで乳歯が生え始める
- 生後1ヶ月からは体温調節が可能になり、体調が安定
- 生後2ヶ月を過ぎたら子猫用の総合栄養食に切り替えていきます
活動量も増え活発になるので、子猫の届く位置にある危険なものを片付けておきましょう。
猫の社交性が決まる時期
猫は生後3ヶ月くらいまでが、社会化期といわれています。
この時期に、毎日人間とスキンシップをとることで人なつこい猫になりやすく、逆に人とあまり関わりをもたないと、なつきにくい猫になります。生後3ヶ月までの猫とは毎日十分にふれあいましょう!
生後3~6ヶ月の子猫
体重の目安は1.5g~3.5kgです。
食事は、子猫用総合栄養食を与えます。
キャットタワーを用意して上下運動をさせてあげましょう。
- 生後4ヶ月ほどで乳歯から永久歯に生え替わり始める
- 成長の早い猫の場合5ヶ月程で発情をむかえます
- 生後6ヶ月前後には、去勢・避妊手術を検討
発情期のオスの場合、縄張りをアピールするために尿スプレーが目立つことも。


猫のワクチンスケジュール
室内飼いの猫はそう頻繁に受けなくてもいいと獣医師に教わりました。



じゅにあの場合、その教えに従って完全室内飼いを守り、3回だけ(生後1年までに2回、翌年1回)の接種です


子猫、または成猫が初めて接種する場合
- 生後8週齢
- 生後12週齢
- 1年に1回
成猫期
猫はわずか1年で人間でいう18歳に。2年で24歳を迎えた後は、1年で4歳ずつ年を重ねます。
生後1年~6年の成猫
体重の目安は3.5kg~7kgです。
食事は、成猫用の総合栄養食を与えます。
去勢・避妊をした猫には専用の総合栄養食を与えます。
- 5、6歳までは好奇心が強く動きも活発
- 大型猫は、まだ成長が続きます(+半年から1年ほど)
- 成長度合いの確認に動物病院で健康診断を受けましょう
食欲旺盛で、運動能力もピークです。健康のために定期的に体重を測り、適正体重を維持しましょう。
猫の体重管理についてはこちらの記事が参考になります。


シニア期
猫は人よりも早く歳を取ります。老いが見える年齢には、個体差がありますが、一般的にシニアへの入り口は7歳ごろ。
11歳になると人間でいえば還暦に。元気そうに見えていても老化が現れてきます。白髪のような白い毛が混じりはじめ、耳が遠くなったり、高血圧によって目が見えなくなってきたり。
生後7年~のシニア猫
体重の目安は3kg~6kgです。
食事は、シニア用の総合栄養食の検討をはじめます。
最近では20歳近く生きる猫も珍しくありません。
- 7歳ごろは人間でいえば「中年」なので肥満にも気を付けましょう
- 病気が目立つようになるころでもあるので早期発見・早期治療が大切です
- 15歳をすぎるころには、食欲や体力も衰えて寝ている時間が増えてきます
嗜好性の高い猫の食欲をそそるキャットフードに切り替えるなどの工夫が大切です。
シニア猫が快適に過ごすためのちょっとした工夫
- 新入り猫をむかえない
体力の衰えてきたシニア猫にとって大きなストレスになる場合があります。 - 健康を保つために高品質なフードをあたえる
シニア猫用キャットフードには、抗酸化効果のあるビタミンが加えられていたり、便秘解消のための食物繊維が多く含まれているなどの工夫がされています。 - トイレをバリアフリーに
足腰が弱ってくるので、フチの低いトイレに変えたり、スロープを付ける。 - 段差を低くする
猫のTV(窓辺)などのかつてのお気に入りの場所までの段差を工夫しましょう。 - 体のお手入れ回数を増やす
毛づくろいや爪とぎをあまりしなくなって、毛玉が出来たり爪が伸びすぎてしまうことがあるので、飼い主さんがこまめにお手入れしてあげましょう。


まとめ
猫のライフステージは、成長・成熟・老化とともに変化し、それぞれに合ったケアが必要です。特にシニア期には、食事や環境の工夫が猫のQOL(生活の質)を大きく左右します。平均寿命の差からもわかるように、完全室内飼いは猫の健康と長寿にとって重要な選択肢です。愛猫の年齢や様子に合わせて、日々の暮らしを見直していきましょう。









