「毛玉」「肥満」「腎臓」「アレルギー」など、猫の体調の悩みには、食事によるサポートが役立ちます。キャットフード選びは、猫の健康を守るための大切な手段のひとつです。
この記事では、肥満・腎臓・アレルギー・毛玉といった悩みに合わせて、確認すべき成分や選び方のポイントを紹介します。
日常ケアに使いやすいキャットフードと、よりこだわりたい方向けの選択肢もあわせて掲載しています。
- 悩み別(肥満・腎臓・アレルギーなど)に最優先で確認すべき成分と避けたい成分
- 市販の療法食と一般の機能性キャットフードの違いと選び分けの基準
- 体調サポートに特化した【厳選】おすすめキャットキャットフードの紹介
体調の悩みを解決するには「治療食」か「機能性キャットフード」の選択が不可欠
健康な猫とは異なり、特定の体調不良を持つ猫には、悩みに合わせた特別な栄養バランスが求められます。
例えば、腎臓に負担をかけやすい「リン」や、関節炎を引き起こしやすい「肥満」など、キャットフードの選び方一つで症状の進行を抑えたり、改善を促したりすることが可能です。適切なキャットフード選びは、これらの体調の悩みを解決するための一歩です。
ケース別キャットキャットフードの選び方と注意点
ここでは、猫が抱えやすい代表的な体調の悩み別に、キャットキャットフードを選ぶ際の具体的なポイントを説明します。

肥満・体重管理が気になる猫
肥満は、糖尿病や関節炎、心臓病などの病気のリスクが高まることがあります。食事による早期のサポートが最も重要となります。
体重管理用キャットキャットフードが必要な猫の例
避妊・去勢後の猫
ホルモンバランスの変化により基礎代謝が落ち、太りやすくなります。若齢期からの管理が理想的です。
肥満傾向にある猫
ボディコンディションスコア(BCS)が適正値を超えている場合、体重管理キャットキャットフードの導入で早期に改善を図る必要があります。
室内飼いで運動量が少ない猫
活動量が少なく消費カロリーが低い猫には、カロリーコントロールが欠かせません。
高齢猫
加齢とともに基礎代謝が落ちますが、運動量が減っている場合は肥満のリスクが増します。一方で痩せすぎも問題となるため、体重管理キャットキャットフードと定期的な健康診断を組み合わせることが重要です。
選び方のコツ:低カロリー・高タンパク質・高繊維質
- 低カロリー・高タンパク質
筋肉量を維持しつつ、カロリーを制限することが重要です。良質なタンパク質を選びましょう。 - 高繊維質
満腹感を持続させ、空腹によるストレスを軽減する食物繊維が豊富なキャットフードを選びます。 - おすすめ成分
L-カルニチンなどの脂肪燃焼をサポートする成分にも注目しましょう。
注意点
急激な食事制限は猫の体に負担をかけるため、獣医師と相談しながら目標体重とカロリー設定を行いましょう。
腎臓の健康をサポートしたい猫
猫が長く健やかに過ごすためには腎臓病への注意が必要で、食事管理がとても大切です。
選び方のコツ(最重要):リンの制限とタンパク質の質
- リンの制限
腎臓病の進行を遅らせるため、リンの含有量が厳しく制限されているかを確認することが最優先です。 - タンパク質の質
量だけでなく、質の高いタンパク質を選ぶことで、老廃物の生成を抑え、腎臓への負担を軽減します。
注意点
自己判断ではなく、獣医師の診察を受けたうえでの判断が安心です。一般のキャットフードでは補助的な役割にとどまるため、療法食の代わりにはなりません。
アレルギー・皮膚のトラブルがある猫
皮膚炎や過剰なグルーミングなど、アレルギーは猫のQOL(生活の質)に直結する大きな悩みです。
選び方のコツ:タンパク質源の選定とバリア機能のサポート
- 限定されたタンパク質源
アレルゲン(原因物質)になりにくい単一タンパク質(ラム、魚など)や、アレルゲンをカットした加水分解タンパク質のキャットフードを選びましょう。 - 皮膚バリア機能のサポート
皮膚の健康を維持するために、オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)が豊富に含まれているかも確認しましょう。
注意点
アレルギーの特定にはアレルギー検査が必要です。原因物質が判明するまでは、獣医師指導のもとで「除去食試験」を行うこともあります。
毛玉を吐き戻しやすい猫
グルーミングで飲み込んだ毛が消化器官内で詰まり、毛玉がたまると体調を崩すこともあるため、注意が必要です
毛玉ケア・皮膚ケア用キャットキャットフードが必要な猫の例
長毛種: 毛が長いため、グルーミングの際に抜け毛を大量に飲み込みやすく、毛玉ができやすい傾向があります。同時に、皮膚の健康を保つためのケアも欠かせません。
過剰なグルーミングをする猫: ストレスや皮膚の不調(アレルギーなど)から過剰にグルーミングをする場合、毛玉ができやすくなります。この場合、皮膚のケアが根本的な対策につながります。
皮膚疾患のある猫: アレルギーや乾燥など、何らかの皮膚トラブルを抱えている猫は、皮膚と被毛の両方を健康に保つための栄養を食事で補う必要があります。
高齢猫: 加齢によってグルーミングの頻度が減ることがありますが、反対に、加齢に伴う関節炎などで不快感がある場合、その部分を舐めすぎて皮膚炎になることもあります。また、消化機能が落ちてくるため、毛玉をうまく排出できなくなることもあります。
選び方のコツ:食物繊維の摂取
- 食物繊維
毛を包み込んで排泄させるための食物繊維(セルロースなど)を豊富に含む「ヘアボールコントロール」キャットフードを選びましょう。
注意点
過度な繊維質は栄養吸収を妨げる場合があるため、適切な量の食物繊維がバランスよく配合されているかを確認しましょう。
【悩み別】おすすめキャットキャットフード紹介

猫の体調の悩みに合わせて、信頼できるメーカーから厳選し、飼い主さんと猫ちゃんが安心して選べるよう、リアルな使用レビューも添えています。
肥満対策おすすめのキャットキャットフード
レビュー:モグニャンキャットキャットフードライト
「避妊後に太りやすくなった猫に試したところ、食いつきが良く、無理なく体重が落ち着いてきました。ダイエットキャットフードは嫌がる子だったのに、これは完食してくれるので助かっています。」
ポイント: 食いつき×体重管理の両立。満腹感も持続し、ストレスが減ったという声も。
肥満対策におすすめのキャットキャットフード一覧
| 商品名 | 価格帯・サイズ目安 |
|---|---|
| ロイヤルカナン ライトウェイトケア | 約4,500円〜(1.5kg) |
| モグニャンキャットキャットフードライト | 約5,800円〜(1.5kg) |
| ブラバンソンヌ レギュラーダイエット | 約5,000円〜(2.5kg) |
腎臓予防おすすめのキャットキャットフード
レビュー:ピュリナ ワン キャット 下部尿路健康維持 FLUTH
猫の膀胱炎の再発が減った!獣医師のアドバイスでこのキャットフードに切り替えた後、頻繁に悩まされていた尿路結石や膀胱炎の症状が出なくなった
ポイント:ミネラルバランスが調整されているため、尿のpHを適切に保ち、下部尿路の健康維持に役立つ。
腎臓予防おすすめのキャットキャットフード一覧
| 商品名 | 価格帯・サイズ目安 |
|---|---|
| ピュリナ ワン キャット 下部尿路健康維持 FLUTH | 約2,000円〜(2.0kg) |
| メディファス アドバンス 腎臓の健康維持 7歳頃から | 約1,000円〜(1.5kg) |
慢性腎臓病を患う犬や猫の腎臓ケアを目的として、獣医師の指導のもとで使用される食事療法食です。ヒルズの栄養学者と獣医師によって開発された科学的に証明された製品で、病気のペットの食事管理をサポートします。
- 「ヒルズ プリスクリプション・ダイエット k/d」は、あくまで腎臓病の食事管理をサポートする療法食であり、病気の治療や予防を目的とした一般食ではありません。使用する際は、獣医師に相談し、適切な指導を受けてください。
- これらのキャットフードは、健康な猫の腎臓病予防を目的とした総合栄養食です。
- すでに腎臓病と診断されている場合は、獣医師に相談し、適切な食事療法食(ヒルズ プリスクリプション・ダイエット k/d、ロイヤルカナン 腎臓サポートなど)を与えてください。療法食は、獣医師の管理下で使用することが前提です。
- どのキャットフードを選ぶにしても、新鮮な水をいつでも飲めるようにしておくことが、腎臓の健康維持には非常に重要です。
アレルギー対策おすすめのキャットキャットフード
レビュー:ナチュラルバランス(ダック)
「皮膚のかゆみと抜け毛が気になっていたので、タンパク源を限定したこのキャットフードに。2週間ほどでグルーミングの頻度が減り、毛並みが落ち着いてきました。今ではこれしか食べません。」
ポイント: 単一タンパク源によるアレルゲン回避。「これしか食べない」という信頼感のある声が多い。
アレルギー対策おすすめのキャットキャットフード一覧
| 商品名 | 価格帯・サイズ目安 |
|---|---|
| ピュリナ プロプラン HA | 約5,000円〜(1.5kg) |
| ナチュラルバランス(ダック) | 約5,000円〜(1.8kg) |
猫アレルギーの原因物質である主要アレルゲン「Fel d 1」を中和することで、猫の毛やフケに付着するアレルゲン量を減らすことを目的とした総合栄養食です。ネスレ日本によると、サーモンを第一主原料としており、成猫の健康維持に必要な栄養がバランスよく配合されています。
毛玉ケアおすすめのキャットキャットフード
レビュー:ヒルズ ヘアボールコントロール
「長毛種で毛玉の吐き戻しが多かったのですが、このキャットフードにしてから明らかに回数が減りました。便の状態も良く、毛玉が自然に排出されているようです。」
ポイント: 食物繊維による毛玉排出効果。便の変化や吐き戻しの減少が実感されている。
毛玉ケアおすすめのキャットキャットフード一覧
| 商品名 | 価格帯・サイズ目安 |
|---|---|
| ニュートロ ナチュラルチョイス 毛玉ケア | 約4,800円〜(2.0kg) |
| ソリッドゴールド インドアキャット | 約6,000円〜(2.0kg) |
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原材料
チキン(肉)、チキンミール、エンドウタンパク、玄米*2、乾燥ポテト、鶏脂*1*3、オーツ麦繊維*2、脱脂米糠、ポテトタンパク、アルファルファミール、オートミール*2、タンパク加水分解物、大豆油*1*4、オオバコ種皮*2、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、コリン、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸)、ミネラル類(カリウム、クロライド、セレン、ナトリウム、マンガン、ヨウ素、亜鉛、鉄、銅)、アミノ酸類(タウリン、メチオニン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、クエン酸)
*1 ミックストコフェロールで保存
*2 食物繊維含、*3 ω6脂肪酸含、*4 ω3脂肪酸含
保証成分値
タンパク質 33.0%以上 脂質 16.0%以上 粗繊維 6.0%以下 灰分 9.0%以下 水分 10.0%以下 ●その他含有成分 オメガ3脂肪酸 0.3%以上 オメガ6脂肪酸 3.5%以上 ビタミンE 250IU/kg以上 タウリン 0.18%以上 カルシウム 0.9%以上 マグネシウム (標準) 0.14%
代謝エネルギー 365kcal/100g
まとめ:適切なキャットキャットフード選びで猫の悩みを解決しよう
キャットフード選びは、猫の体調を支える大切な方法のひとつです。 どのキャットフードが合うかは、猫の年齢や体質、生活環境によっても変わります。 今回ご紹介した内容が、あなたと猫ちゃんの毎日に役立ちますように。 無理なく続けられる方法で、少しずつケアを始めていきましょう。 体調に不安があるときは、獣医師に相談することも大切です。

