猫は不調を隠すのが得意な動物です。「なんとなく元気がないかも」と気づいた時には、すでに病気が進んでいた、そんなケースも珍しくありません。だからこそ、年齢ごとにかかりやすい病気を知っておくことが、早期発見への近道になります。
この記事では、子猫・成猫・シニア猫(前期/後期)・老猫の4つのステージに分けて、それぞれの時期に注意したい病気と、日頃できる予防のポイントをまとめました。
- 今の年齢で何に気をつければいいか知りたい
- 病気の知識はあっても、予防の仕方がよく分からない
- 健康診断の頻度や受診タイミングに迷っている
nalu「全部覚えなきゃ」と思わなくて大丈夫です。
まずは、あなたの猫の今の年齢のところだけ読んでみてくださいね。
猫の年齢と「人間換算年齢」の目安
猫の年齢が人間に換算してイメージしておくと、ステージごとの注意点がつかみやすくなります。
猫と人の年齢換算比較表


7歳というと「まだ若い」と感じる方もいますが、人間に換算すると40代後半。健康診断の頻度を上げるタイミングとして、獣医師からも7歳が目安として推奨されることが多いです。
子猫期(0〜1歳)に気をつけたい病気
生まれてから1歳になるまでの時期は、免疫が未発達で感染症にかかりやすい時期です。特に生後2〜3か月の子猫は、母猫からの免疫が切れ始めるバトンタッチのタイミングで、もっとも注意したい時期でもあります。


感染症(猫風邪・猫パルボウイルス)
猫風邪(上部気道感染症)は、くしゃみ・鼻水・目やにが主な症状です。ウイルスが原因のことが多く、一度感染するとウイルスが体内に残り、ストレスや免疫低下時に再発することがあります。
猫パルボウイルス(猫汎白血球減少症)は、致死率が高く感染力も非常に強い病気です。どちらもワクチンで予防可能なので、生後2か月頃からのスケジュールを獣医師と相談しておくと安心です。
消化器トラブル(下痢・嘔吐)
子猫は消化器系が未熟なため、フード変更や環境の変化で下痢や嘔吐を起こしやすいです。1〜2回程度で治まるなら様子見でもよいことがありますが、続く場合や元気がない場合は早めに受診を考えてください。
寄生虫(回虫・ノミ・耳ダニ)
保護猫や外から迎えた子猫は、回虫などの寄生虫を持っていることがあります。定期的な駆虫薬投与と、便の状態チェックを習慣にしておくと安心です。
ワクチン接種に合わせて複数回。
お迎え後1週間以内に一度健康チェックを。
成猫期(1〜6歳)に気をつけたい病気
もっとも元気な時期ですが、生活習慣が将来の健康を左右する大切な時期でもあります。「元気だから大丈夫」と油断せず、年に1回の健康診断を続けておくと、早期発見につながります。


泌尿器系の病気(尿路結石・膀胱炎)
猫に多い病気の代表格が、泌尿器系のトラブルです。特にオス猫は尿道が細く詰まりやすいため注意が必要です。
水をあまり飲まない猫や、ドライフード中心の猫は水分不足になりやすく、結石のリスクが高まります。ウェットフードを取り入れたり、給水器を複数か所に置くなど、日常的に水分摂取を意識しましょう。
猫の尿路結石についてはこちらの記事で解説しています。


肥満・体重管理
去勢・避妊手術後は代謝が落ち、太りやすくなる猫が多いです。肥満は関節疾患・糖尿病・脂肪肝などのリスクを高めます。月1回の体重測定で変化に気づきやすくなります。
骨格によって異なりますが、理想は横から見てお腹がゆるやかにくびれ、て肋骨に軽く触れられる状態です。
歯周病
3歳以上の猫の約70〜80%が歯周病を持つと言われています。口臭・よだれ・食欲低下が主なサインです。毎日の歯磨きが理想ですが、難しい場合はデンタルジェルや歯磨きおやつの活用でもOKです。
皮膚のトラブル(アレルギー・アトピー)
フードや環境(ほこり・花粉)によるアレルギーで、かゆみや脱毛が起こることがあります。原因特定には時間がかかることも多いので、症状が出たら早めの受診がおすすめです。
わがやのじゅにあがアトピーかも?と診断された時のことを記事にしていますので、参考にしてください。


年1回の健康診断(血液検査・尿検査)。
気になる症状があればその都度受診を。
シニア期前半(7〜10歳)に気をつけたい病気
7歳を過ぎると、見た目には若くても体の内側では変化が始まります。腎臓・甲状腺・心臓など、内臓にかかわる病気が増えてくる時期です。健康診断は年2回がおすすめです。


慢性腎臓病(CKD)
猫の死因の上位を占めるのが慢性腎臓病です。腎臓は一度機能が落ちると回復しないため、早期発見がとても重要です。
「よく水を飲む」「トイレの回数が増えた」「体重が少しずつ減ってきた」「毛並みが悪くなってきた」などは受診のサインです。
猫の腎臓病についてはこちらの記事で解説しています。


甲状腺機能亢進症
シニア猫に多い病気で、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される状態です。
「よく食べるのに痩せる」「落ち着きがない」「鳴き声が増える」などが典型的なサインです。血液検査で発見できます。
高血圧
腎臓病や甲状腺機能亢進症に合併しやすい病気です。突然の視力低下や神経症状が出ることがあります。定期的な血圧測定が役立ちます。
年2回の健康診断(血液検査・尿検査・血圧測定)。
気になる変化は早めに。
シニア期後半〜老猫期(11歳〜)に気をつけたい病気
11歳を過ぎると、複数の病気を同時に抱えることも珍しくありません。治療だけでなくQOL(Quality of Life=生活の質)を保つケアが大切になってきます。


慢性腎臓病の進行
この時期は投薬・食事管理・皮下点滴など、自宅でのケアが必要になることもあります。かかりつけ医と相談しながら、無理のない範囲で続けていきましょう。
関節炎・筋力低下
ジャンプを嫌がる、階段の上り下りがゆっくりになるなどの変化がサインかです。キャットタワーのステップ追加や、踏み台の設置など、環境のバリアフリー化が助けになります。
認知症(高齢猫の夜鳴き・徘徊)
夜中に大声で鳴く、同じ場所をぐるぐる歩く行動は、認知症の可能性があります。完全に防ぐことは難しいですが、生活リズムを整えたり、適度な刺激を与えることで進行を遅らせられる場合があります。
がん(リンパ腫・乳腺腫瘍など)
高齢猫はがんのリスクも上がります。体を触ったときにしこりを感じたら、早めに受診を。特に避妊をしていないメス猫は乳腺腫瘍のリスクが高いとされています。
3〜4か月に1回を目安に定期通院。
体重・食欲・トイレの変化は日常的に記録しておくと受診時に役立ちます。
猫の年齢別・かかりやすい病気、まとめ表
| ステージ | 年齢 | 注意したい主な病気・症状 | 受診の目安 |
|---|---|---|---|
| 子猫期 | 0〜1歳 | 感染症、下痢・嘔吐、寄生虫 | ワクチンスケジュールに合わせて複数回 |
| 成猫期 | 1〜6歳 | 尿路結石・膀胱炎、肥満、歯周病、アレルギー | 年1回 |
| シニア前半 | 7〜10歳 | 慢性腎臓病、甲状腺機能亢進症、高血圧 | 年2回 |
| シニア後半 | 11〜14歳 | 腎不全の進行、関節炎、認知症、がん | 3〜4か月に1回 |
| 老猫期 | 15歳〜 | 多臓器の複合的な衰え、QOLの維持 | かかりつけ医と相談 |
気になる症状があったら、まずここを確認
「病院に行くほどかな…」と迷ったとき、次のどれかにあてはまれば受診を考えてください。


- 水を飲む量が急に増えた
- 体重が2週間で急に減った
- 元気がなく隠れてばかりいる
- 食欲がまったくない日が2日以上続く
- トイレの回数や様子が明らかにいつもと違う
これらは「様子を見ていい変化」ではなく、「早めに確認してほしい変化」です。
猫は痛みや不調を表に出しにくい動物だからこそ、日頃から「いつもの状態」を知っておくことが、なによりの早期発見につながります。
猫の感染症(風邪)についてはこちらの記事で解説しています。




まとめ
年齢ごとにかかりやすい病気は変わります。
- 子猫期 感染症と消化器トラブル
- 成猫期 泌尿器と肥満・歯
- シニア期 腎臓・甲状腺・がん
「今の年齢で何を気をつければいいか」を知るだけで、日常の見方が変わります。健康診断の頻度も年齢に合わせて見直すことで、早期発見の可能性がぐっと高まります。
病気のことを知るのは、怖いことではなく、備えることです。
じゅにあも今年で4歳になり、成猫期後半に入りました。尿路系と歯のケアを意識しながら、毎日の様子を見守っています。
あなたの猫が、これからも長く元気で過ごせますように。







