最近では、外国産のキャットフードを選ぶ飼い主さんが増えてきています。
「国産なら安心」というイメージは根強いですが、キャットフードに関しては、外国産の方がより厳しい基準をクリアしている製品が多いのが現状です。それは、ペットフードに対する法律や文化の違いが大きく関係しています。
この記事では、外国産キャットフードが選ばれる理由と、日本製を選ぶときに確認しておきたいポイントを、わかりやすくお伝えします。どちらが良い・悪いではなく、猫に合った安心できるフードを選ぶためのヒントとして、参考にしていただけたら嬉しいです。
- 外国産キャットフードが選ばれる理由と品質基準の違い
- 「国産=安心」が必ずしも正しくない背景
- 日本製キャットフードを選ぶときの確認ポイント
- 外国産キャットフードを選ぶ際の注意点
外国産キャットフードが選ばれる理由
外国産のキャットフードは、厳しい安全基準をクリアした製品が多いことから、多くの飼い主さんに選ばれています。
特に欧米では、ペットを「家族の一員」として大切にする文化が根付いており、ペットフードに対する法整備も進んでいます。そのため、栄養バランスや原材料の品質、製造過程の管理がしっかりしているんです。
国際的な基準「AAFCO」や「FEDIAF」の存在
外国産のキャットフードの多くは、AAFCO(米国飼料検査官協会)やFEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)といった国際基準に準拠しています。
これらの基準は、猫が健康に生きるために必要な栄養素の量や品質を細かく定めたもので、世界的に信頼されている指標なんです。基準をクリアした製品には「AAFCO基準適合」といった表示がされていることが多く、選ぶ際の目安になります。
詳しい基準の内容については、以下の記事で解説していますので、あわせて読んでみてくださいね。
原材料の質と透明性が高い
外国産のプレミアムキャットフードは、原材料の質にこだわっている製品が多いです。
原材料の産地や製造工程を公開しているメーカーも多いので、透明性が高いのも選ばれる理由のひとつです。
「国産=安心」が必ずしも正しくない理由
「国産なら安心」という気持ちは、食品を選ぶときによくありますよね。
でも、キャットフードに関しては、国産だから安全とは言い切れない部分があるんです。それは、日本のペットフード業界がまだ発展途上であることや、法律の違いが影響しています。
日本のペットフード安全法の課題
日本では2009年に「ペットフード安全法」が施行されましたが、欧米に比べるとまだ規制がゆるい部分があります。
原材料表示の曖昧さ
日本製のキャットフードの中には、「肉類」「穀物」といった曖昧な表記が多い製品もあります。
具体的に何の肉なのか、どんな穀物なのかが分からないと、アレルギーのある猫には選びにくいですし、品質を判断するのも難しいですよね。透明性が低いと、どうしても不安が残ってしまいます。
価格優先の製品が多い
日本のキャットフード市場は、低価格帯の製品が中心です。
もちろん、価格が安いこと自体は悪いことではありません。でも、コストを抑えるために、質の低い原材料や添加物を多く使っている製品も存在するんです。猫の健康を第一に考えるなら、価格だけで選ぶのは避けた方が安心です。
日本製キャットフードを選ぶときに確認したいポイント
日本製のキャットフードにも、品質の高い製品はもちろん存在します。
ただ、選ぶときには少し注意深く確認することが大切です。ここでは、おすすめできる品質とそうでない品質の見分け方をお伝えしますね。
おすすめできる品質の特徴
AAFCOやFEDIAFの基準に準拠している
パッケージに「AAFCO基準適合」や「FEDIAF基準クリア」といった表示があれば、栄養バランスが整っている証拠です。こうした表示がある製品は、安心して選べます。
原材料が具体的に記載されている
「チキン」「サーモン」など、何の肉や魚を使っているかが明確に書かれている製品は信頼できます。また、副産物を使っていないことが明記されていれば、さらに安心です。
添加物が最小限に抑えられている
合成保存料や着色料、香料などが使われていない、またはできるだけ少ない製品を選ぶのがおすすめです。天然由来の酸化防止剤(ビタミンEやローズマリー抽出物など)を使っている製品なら、さらに良いですね。
おすすめできない品質の特徴
曖昧な原材料表示
「肉類」「穀物」「動物性油脂」といった曖昧な表記が多い製品は、何が使われているか分からないため注意が必要です。
副産物や4Dミートの可能性
「◯◯ミール」「◯◯副産物」といった表記がある場合、質の低い原材料が使われている可能性があります。特に、4Dミート(Dead=死んだ、Diseased=病気の、Dying=死にかけの、Disabled=障害のある動物の肉)が使われているリスクもゼロではありません。
穀物が主原料
猫は肉食動物なので、本来は穀物をたくさん必要としません。原材料の最初に「とうもろこし」「小麦」などの穀物が書かれている製品は、タンパク質が不足している可能性があるため、避けた方が安心です。
合成添加物が多い
BHA、BHT、エトキシキンといった合成保存料や、着色料、香料が多く使われている製品は、長期的に見ると猫の健康に影響を与える可能性があります。
外国産キャットフードを選ぶときの注意点
外国産キャットフードは品質が高い製品が多いですが、選ぶときに注意しておきたいポイントもあります。
輸送や保管のリスク
外国産のキャットフードは、海を渡って日本に届きます。
その過程で高温や湿気にさらされると、品質が劣化してしまうことがあります。特に夏場や、保管状態が良くないお店で購入する場合は注意が必要です。
信頼できる販売店や公式サイトから購入すること、パッケージに破れや膨らみがないかを確認することが大切です。また、開封後は密閉容器に移し替えて、涼しい場所で保管するようにしましょう。
賞味期限と製造日の確認
輸送期間が長いため、店頭に並ぶ頃にはすでに製造から時間が経っている場合もあります。
購入するときは、必ず賞味期限を確認して、できるだけ新しいものを選ぶようにしましょう。製造日が記載されている製品なら、より安心ですね。
猫の体質に合うかどうか
外国産のキャットフードは高タンパク・高脂質の製品が多いため、運動量が少ない猫や高齢猫には合わない場合もあります。
また、原材料が日本製と異なるため、急に切り替えるとお腹を壊してしまうこともあります。新しいフードに切り替えるときは、少しずつ混ぜながら時間をかけて慣らしていくのがおすすめです。
価格と予算のバランス
外国産のプレミアムキャットフードは、品質が高い分、価格も高めです。
猫の健康を考えると良いフードを選びたいですが、無理なく続けられる価格帯のものを選ぶことも大切です。高品質なフードを少量与えるよりも、適正な量を安定して与えられる方が、結果的に猫の健康につながります。
私が外国産キャットフードを選ぶ理由
私が外国産のキャットフードを選ぶのは、猫が健康で長生きをしてほしいから。
もちろん、日本製のフードがすべて悪いわけではありません。でも、国際基準に準拠していて、原材料が明確で、添加物が少ない製品を選ぼうとすると、どうしても外国産の選択肢が多くなるんです。
実際に、外国産の中でも品質の良いプレミアムフードに切り替えてから、猫の毛ツヤが良くなったり、便の状態が安定したりする様子を見てきました。そうした変化を感じると、やっぱり選んで良かったなと思います。
ただ、これはあくまで私の選択です。大切なのは、飼い主さん自身が納得して選ぶこと。猫の体質や好みや予算に合ったフードを見つけることが、何より大切だと思います。
まとめ
外国産キャットフードが選ばれる理由は、厳しい安全基準と高い品質にあります。国産だから安心、という思い込みにとらわれず、原材料や基準を確認して選ぶことが大切です。
日本製を選ぶ場合も、AAFCO基準に準拠しているか、原材料が明確か、添加物が少ないかをチェックしましょう。外国産を選ぶときは、輸送リスクや保管状態に注意して、信頼できるお店から購入するのがおすすめです。
どんな選択肢があるのかを知って、納得して選ぶことが、猫の健やかな暮らしにつながります。
この記事が、そんな選び方のヒントになれば嬉しいです。
