猫と暮らし始めると、毎日が小さな発見の連続です。
ごはんを食べる音、眠る姿、ふと見せるしぐさ。その全部が愛おしくて、「もっとこの子のことを知りたい」と思う瞬間が増えていきます。
猫は言葉を話せないけれど、体や行動の変化を通して、たくさんのサインを出しています。そのサインに気づけるようになると、猫の健康管理がぐっとスムーズになります。
この記事では、毎日のちょっとした観察ポイントから、年齢に合わせたケア、動物病院との付き合い方まで、猫の健康を守るために知っておきたいことをまとめました。
- 猫の健康管理は何から始めればいいのか知りたい
- 病気の予防をもっと上手にしてあげたい
- 食事やケアを年齢に合わせて見直したい
- 動物病院との関係を、もっと心地よくしたい
全部を完璧にしなくて大丈夫です。
今日できることを、ひとつずつ。そんな気持ちで読んでもらえたらうれしいです。
猫の健康は「観察」から始まります
毎日何気なく見ているようで、意外と見落としがちなことは多いものです。ごはんを食べたか、トイレに行ったかは確認していても、体重の変化や毛並みの乱れ、 目のかすみや、歩き方の違和感はどうでしょうか?

猫の病気の多くは早期発見で予後が大きく変わります。
わがやのじゅにあのことも、体を触る習慣をつけてから、以前より細かな変化に気づけるようになりました。
難しいことではなく、「触る・見る・記録する」の3つだけです。
毎日5分でできる健康チェックのポイント
健康チェックというと大げさに聞こえますが、ほとんどは日常のスキンシップの延長でできます。撫でながら確認できる項目も多いです。
猫の健康管理で見ておきたい主なポイント
| チェック項目 | 正常なサイン | 受診を考えるサイン |
|---|---|---|
| 食欲 | いつも通り食べる | 2日以上食べない・急に増えた |
| 水分摂取量 | 体重1kgあたり約50ml | 明らかに増えた・まったく飲まない |
| トイレ | 1日2〜4回(尿)、1日1〜2回(便) | 頻尿・血尿・丸1日出ない |
| 体重 | 安定している | 2週間で5%以上の増減 |
| 被毛・皮膚 | なめらかでツヤがある | フケ、ハゲ、かゆがる |
| 目・鼻 | 目やにや鼻水が少量 | 多い・色がおかしい・目を開けにくそう |
| 歩き方 | スムーズに動く | 片足をかばう・ジャンプを嫌がる |
| 行動 | いつも通りの活動量 | 急に元気がない・隠れてばかり |
毎回全部確認しなくても、ひとつでも「あれ?」と感じたら、そこから少し広げて見ていくくらいの気持ちで大丈夫です。
猫の健康管理の詳しいチェック方法は、こちらでまとめています。

日常ケアで差がつく、猫のお手入れ5つ
健康チェックと合わせて意識したいのが、日々のお手入れです。
「グルーミングは猫が自分でやるから大丈夫」と思いがちですが、人が手を貸すことで防げるトラブルも多くあります。

1. ブラッシング
短毛種でも、定期的なブラッシングは欠かせません。毛玉予防だけでなく、皮膚の状態を確認する機会にもなります。週に1〜2回が目安で、長毛種は毎日できると理想的です。
嫌がる場合は、まず手でなでるところから始めて、徐々にブラシに慣れさせていくと、負担が少なくすみます。
2. 爪切り
室内猫は爪が自然にすり減りにくいため、2〜3週間に1度のペースで切ってあげると安心です。切りすぎると血管(クイック)に当たるため、透明な先端部分だけを少しずつ切るのがポイント。
暴れる子には、眠そうな時間帯を狙ったり、1本ずつ別の日に切る方法も有効です。
安全な猫用(ペット用)爪切りの選び方についてはこちらの記事で解説しています。

3. 耳掃除
耳の中が黒ずんでいたり、においが強い場合は耳ダニや細菌感染の可能性があります。普段のお手入れは月に1回程度、市販のイヤークリーナーを使って優しく拭く程度でOK。ただし、やりすぎは逆効果になるので注意が必要です。
4. 歯のケア
猫の歯周病は非常に多く、3歳以上の猫の約70〜80%が持っているとも言われています。毎日の歯磨きが理想ですが、まずは「口を触られることに慣れる」ことから始めるのが現実的です。次に指サックや綿棒、そのあとに歯ブラシに移行していく方法がうまくいきやすいです。
じゅにあ人間とのキスや口移しで、歯周病菌が猫にうつる可能性もあります。逆に猫から人へ感染することもあるため注意が必要です。
5. 目・鼻まわりのケア
目やに・鼻水が多い日が続く場合は、体調不良のサインかもしれません。
普段は湿らせたコットンで優しく拭く程度で十分です。こすりすぎは炎症の原因になります。あくまでそっと、が基本です。



2〜3日様子を見ても改善しない、悪化していると感じたら受診を。
特に子猫やシニア猫は体力がないため、「1日中様子がおかしい」と感じたら早めの受診がおすすめです。
猫がかかりやすい病気と、日頃できる予防のこと
「何を気をつければいいのか分からない」という方も多いですが、猫がかかりやすい病気には一定の傾向があります。
知っておくだけで予防がしやすくなります。


泌尿器系の病気(尿路結石・尿道閉塞)
猫に多い代表的な病気です。特にオス猫は尿道が細く詰まりやすいため注意が必要です。
予防のカギは 水分摂取。
ドライフード中心だと水分不足になりやすいため、ウェットフードを取り入れたり、飲み水を複数置くなどの工夫をしてみてください。
慢性腎臓病(CKD)
猫の死因の上位を占める慢性腎臓病は、早期発見が予後を大きく左右します。7歳を過ぎたら、年に1〜2回の血液検査と尿検査がおすすめです。
症状は進行するまで気づきにくいことが多く、「よく水を飲む」「体重が減る」「よく吐く」などの変化が見られたら、受診の目安になります。
呼吸器系の感染症(猫風邪)
くしゃみや鼻水、目やにが続く場合は、猫風邪(猫上部気道感染症)の可能性があります。
ウイルスが原因のことが多く、一度感染すると繰り返すことも。
ワクチンで重症化を防げるため、接種スケジュールを確認しておくと安心です。
皮膚のトラブル(アレルギー・アトピー)
フードや環境(ほこり・花粉)によるアレルギーで、かゆみや脱毛が起こることがあります。原因特定には時間がかかることも多いため、早めの受診がおすすめです。
年齢別に見る、猫がかかりやすい病気
| 年齢 | 注意したい病気・症状 |
|---|---|
| 子猫(〜1歳) | 感染症(風邪・パルボ)、寄生虫、下痢 |
| 若猫・成猫(1〜6歳) | 尿路結石、肥満、外傷、歯周病 |
| シニア猫(7歳〜) | 慢性腎臓病、甲状腺機能亢進症、糖尿病、がん |
| 老猫(11歳〜) | 腎不全の進行、認知症、心臓病、関節炎 |



年齢ごとのリスクを知っておくと、「今この時期だから、ここを意識しておこう」という視点が持てるようになります。
猫のライフステージごとにかかりやすい病気についてはこちらの記事で解説しています。


動物病院との上手な付き合い方
「行くほどじゃないのかな」と迷うことはよくあります。
猫の受診は、症状が出てからだけでなく、定期健診として活用するのがおすすめです。


年齢別の受診ペース目安
| 年齢 | 推奨ペース |
|---|---|
| 子猫(〜1歳) | ワクチン・去勢避妊のスケジュールに合わせて複数回 |
| 成猫(1〜6歳) | 年1回の健康診断 |
| シニア猫(7歳〜) | 年2回(血液検査・尿検査含む) |
| 老猫(11歳〜) | 3〜4か月に1回を目安に |
定期健診は早期発見だけでなく、「うちの子基準値」を病院に蓄積できるというメリットもあります。
病院を嫌がる猫の通院を楽にするコツ
キャリーバッグを普段から出しておく、キャリー移動に慣れさせる、フェリウェイ(フェロモン製品)を使うなど、ちょっとした工夫でストレスを減らせます。
猫の通院ストレス減らすコツについてはこちらの記事で解説しています。


避妊・去勢手術について
「かわいそう」という気持ちも自然ですが、避妊・去勢は発情ストレスや特定の病気のリスクを大きく下げます。



手術自体は一般的に短時間で、術後の回復も数日以内のことが多いです。
猫の避妊・去勢手術についてはこちらの記事で解説しています。


猫の食事とケア、年齢に合わせて変えていくこと
猫の食事は、成長段階や健康状態によって必要な栄養が変わります。


ライフステージ別・食事のポイント
子猫(〜1歳) 成猫の2〜3倍のカロリーと高タンパクが必要な時期です。子猫用フードを選び、1日3〜4回に分けて与えるのが理想的です。
成猫(1〜7歳) 体重管理が大切になる時期。肥満は関節疾患や糖尿病のリスクを高めるため、食事量と運動のバランスを意識しておくと安心です。ドライフードとウェットフードを組み合わせると、水分摂取量も自然に増やせます。
シニア猫(7歳〜) 消化機能が少しずつ落ちてくる時期です。シニア用フードへの切り替えや、タンパク質の質と量の見直しが必要になってきます。腎臓病が心配な場合は、リンの少ないフードを選ぶことが推奨されています。
猫のライフステージ別のキャットフードの選び方についてはこちらの記事で解説しています。


水分補給は特に大切
猫はもともとあまり水を飲まない動物です。流れる水が好きな子が多いので、ウォーターファウンテン(循環式給水器)を取り入れてみると、飲水量が増えることがあります。食事から水分を取れるウェットフードを活用するのも効果的です。
水分補給の方法や、設置場所の工夫についてはこちらの記事で解説しています。


猫がごはんを食べない時は「なぜ」を考える
猫がごはんを食べない原因はさまざまです。フードに飽きた、食器が合わない、体調不良など、背景をひとつずつ確認していくことが大切です。
「突然食べなくなった」場合は、病気の可能性もあるため、24〜48時間改善しなければ受診を。
猫がご飯を食べない時の対策についてはこちらの記事で解説しています。


猫のメンタルケアも、健康管理の一部
体の健康だけでなく、心の健康も同じくらい大切です。猫はストレスに敏感な動物で、環境の変化や退屈、孤独感などからさまざまな体調不良の引き金になることがあります。


ストレスのサインを見逃さない
過度なグルーミング(毛が薄くなってきた)、食欲の急変、攻撃的になる、隠れる行動などはストレスの可能性があります。何か生活に変化があったタイミングで起きていないかを、確認してみてください。



わがやでは、私の体調不良であまり遊んであげられない時に、じゅにあは、遊びをせがんできたりしなかったのですが、我慢をしていたようで過度なグルーミングで脱毛してしまいました。
適度な遊びと刺激を
1日15〜20分程度の遊び時間が、猫の精神的な安定に役立ちます。猫じゃらしや狩猟本能を刺激するおもちゃを使って、最後には必ず「捕まえた」と感じられる達成感を与えてあげることがポイントです。
猫が喜ぶおもちゃや、遊び方についてはこちらの記事で解説しています。


環境を整えることもケアのひとつ
猫が安心できる「隠れ場所」、高さのある「登り場所」、静かに休める「ひとりの時間」を確保してあげることは、日常ケアと同じくらい大切です。
特に多頭飼いや赤ちゃん/子どもがいる家庭では、猫だけの「逃げ場所」を意識して作ってあげると猫のストレスも減ります。
シニア猫になったら、見直したいこと
7歳を過ぎると、体の内側では変化が始まっています。早めに対応することで、シニア期をずっと快適に過ごしてもらいやすくなります。


環境のバリアフリー化
ジャンプが難しくなってきたら、キャットタワーのステップを追加する、ソファの横にステップを置くなど、段差を緩和してあげると体の負担が減ります。トイレも、入り口が低いタイプに替えてあげると使いやすくなります。
定期的な体重チェック
シニア猫は体重が少しずつ落ちることがありますが、急激な体重減少は病気のサインの可能性があります。
月に1度、体重を測ると変化に気づきやすいです。体重計に乗せるのが難しい場合は、抱っこした状態で体重計に乗り、自分の体重と引き算する方法でも測れます。
猫の体重測定の方法や、痩せていると判断するときの目安など体重のことについてはこちらの記事で解説しています。


猫のライフステージガイドはこちら
成長別(子猫・成猫・シニア猫)の変化やケアについてはこちらの記事で解説しています。


まとめ
猫の健康を守るうえで大切なのは、特別なことより、毎日の観察やふれあいを積み重ねです。
食欲・トイレ・体重・行動、このあたりを意識して見るだけで、変化に気づけるようになります。
お手入れも、最初から完璧を目指さなくて大丈夫。爪切り一本、ブラッシング1分から始めていけば十分です。
動物病院も「何かあってから行く場所」ではなく、「定期的に健康を確認する場所」と思えると、受診のハードルが少し下がります。



回を重ねることで医師と猫も顔見知りになれるかも
この記事が、あなたと猫の毎日をちょっとだけ安心できるお手伝いになれば、うれしいです。







