多頭飼いをしていると、猫同士がじゃれあっているのか、本気でケンカしているのか判断に迷うことがありますよね。実は、猫のケンカには明確なサインがあり、見守っていいものと、すぐに止めるべきものがあります。
わがやでも、過去に先住猫と新入り猫が初対面したとき、激しく威嚇し合って本当に焦りました。でも、正しい対処法を知ってからは、猫たちの関係も落ち着き、その後は穏やかに過ごしてくれました。この記事では、猫のきもちを理解しながら、飼い主さんが自信を持って対応できるポイントを分かりやすくお伝えします。
- じゃれあいと本気のケンカの見分け方
- 猫同士がケンカする5つの原因
- ケンカを止めるべきタイミングと仲裁方法
- 多頭飼いでケンカを防ぐための環境づくり
- ケガをしたときの応急処置
猫同士の関係に正解はありませんが、飼い主が適切に介入することで、猫たちのストレスはぐっと減ります。大切な猫たちが安心して暮らせるよう、まずは今の状況が「遊び」なのか「ケンカ」なのかを見極め、原因別の対策や仲裁方法まで、知っておくべきポイントを詳しく解説します。
じゃれあいと本気のケンカの見分け方
猫同士が取っ組み合っているとき、それがじゃれあいなのか本気のケンカなのかを見分けるには、猫の表情や声に注目しましょう。

じゃれあいのサイン
猫同士のじゃれあいは、社会性を育む大切なコミュニケーションです。以下の特徴があれば、温かく見守ってあげてください。
- 「シャー」などの威嚇する声を出さない
- 耳が前を向いている
- しっぽが自然な状態か、ゆったり揺れている
- お互いに追いかけっこを交代で行う
- 噛んでも甘噛みで、途中に休憩を挟む
本気のケンカのサイン
本気のケンカは、縄張り争いやストレス、恐怖心から起こります。次のような様子が見られたら、本気のケンカの可能性があります。
このような状況では、すぐに仲裁に入る必要があります。
- 「シャー!」「ウー!」と激しく威嚇している
- 耳が後ろにぴったり倒れている(イカ耳)
- 全身の毛を逆立て、しっぽを太く膨らませている
- 一方的に追い詰めて、本気で噛みついたり引っ掻いたりする
- 終わった後に血が出ていたり、毛が束で抜けている
判断に迷ったときは、以下の比較表を参考にしてみてくださいね。
| 特徴 | じゃれあい(遊び) | 本気のケンカ |
|---|---|---|
| 鳴き声 | ほとんど無音 | シャー、ウー、絶叫 |
| 耳の向き | 前を向いている | 後ろに倒れる(イカ耳) |
| しっぽ | 普通、またはゆっくり | 膨らんでいる、激しく振る |
| 勝敗 | 交代で追いかけっこ | 一方的に攻撃される |
猫の行動に変化が出てきたら

猫同士がケンカする5つの原因
猫がケンカをするのには、必ず理由があります。原因を理解することで、適切な対策が取れるようになります。

1.縄張り意識
猫は自分のテリトリーをとても大切にします。特に新しい猫を迎えたばかりの頃は、先住猫が「自分の場所を奪われた」と感じて攻撃的になることがあります。
トイレや食事場所、お気に入りの寝床など、生活の重要なスペースを取り合うことで衝突が起きやすくなります。
2.社会化不足
子猫の頃に兄弟や母猫と過ごす時間が短かった猫は、力加減が分からず、相手を怒らせてしまうことがあります。生後2〜7週間の社会化期に学ぶはずの「距離感」が身についていないため、ケンカに発展しやすい傾向があります。
3.環境の変化によるストレスや不安
引っ越しや模様替え、来客など、環境の変化でイライラしているときに、身近な猫に八つ当たりをしてしまうことがあります。
4.性格や相性の不一致
活発に遊びたい猫と、静かに過ごしたいシニア猫など、性格が合わないとトラブルになりやすいです。人間と同じように、どうしても相性が合わない場合があることも理解しておきましょう。
5.発情期による興奮
未去勢・未避妊の猫は、ホルモンバランスの影響で攻撃的になりやすい傾向があります。これは去勢・避妊手術をすることで、多くの場合落ち着きます。
ケンカを止めるべきタイミングと仲裁方法
本気のケンカだと判断したら、すぐに仲裁が必要です。ただし、無理に素手で引き離すのは絶対にやめましょう。飼い主が大けがをしたり、猫との信頼関係が崩れたりする恐れがあります。

安全に仲裁するステップ
- 大きな音を立てる
手を叩いたり、物を叩いたりして「ガシャン!」と音を出し、猫の注意をそらします。 - 視界を遮る
クッションや段ボール、毛布を間に投げ入れ、お互いの顔が見えないようにします。 - 物理的に仕切る
大きな板や段ボールを壁のように使い、2匹を引き離します。 - 別々の部屋へ
興奮が冷めるまで、少なくとも1時間は別の部屋で過ごさせましょう。
すぐに止めるべき状況
次のような状況では、すぐに仲裁に入る必要があります。
- 一方が逃げ場を失って追い詰められている
- 血が出ている、または明らかにケガがある
- 激しい威嚇の声が続いている
- どちらかが恐怖で固まっている
絶対にやってはいけない仲裁方法
ケンカを止めようとして、次のような行動は避けてください。
- 素手で引き離す
- 大声で叱る
- 水をかける(ストレスを増すだけ)
- 叩いたり蹴ったりする
ケガをしたときの応急処置
ケンカの後は、必ず猫の体をチェックしてください。特に噛み傷は深く、化膿しやすいので注意が必要です。

チェックすべき箇所
- 首周り
- 前足・後ろ足
- お腹
- しっぽ
- 耳
応急処置の手順
軽い引っ掻き傷の場合
流水で傷口を洗い流し、清潔なガーゼで軽く押さえます。出血が止まらない場合は、すぐに動物病院へ。
噛み傷の場合
噛み傷は深く、細菌感染のリスクが高いです。傷口を洗い流し、できるだけ早く受診を。抗生物質の投与が必要になることがあります。
出血が多い場合
清潔なガーゼやタオルで傷口を強めに押さえ、圧迫止血をしながらすぐに動物病院へ。
ケガが軽く見えても、数日後に化膿することがあります。傷口が腫れていたり、痛がる様子があれば必ず受診しましょう。
多頭飼いでケンカを防ぐための環境づくり
ケンカを未然に防ぐには、猫たちが競合しなくて済む環境を整えることが一番の近道です。

- トイレは「頭数+1個」設置する
トイレの順番待ちは大きなストレスです。家の中に分散して置きましょう。 - 食事場所を分ける
食事中に顔を合わせないよう、別の部屋やスペースに配置します。 - 高い場所を増やす
キャットタワーや棚を活用し、上下の空間を広げることで、猫同士が適度な距離を保てるようになります。 - 1匹ずつの時間を作る
それぞれの猫とマンツーマンで遊ぶ時間を作ることで、愛情不足によるストレスを軽減します。
新しく猫を迎える方はこちら

まとめ
猫同士のケンカは見ているだけでハラハラしますが、まずは落ち着いて「じゃれあい」か「本気」かを見極めてあげてください。本気のケンカであれば、今回ご紹介した安全な方法で仲裁し、その後は猫たちがリラックスできる環境を整えてあげましょう。
多頭飼いの毎日は大変なこともありますが、工夫次第で猫同士の関係は少しずつ良くなっていきます。焦らず、猫たちのペースに寄り添って見守っていきましょう。

