猫のおやつ売り場に行くと、パッケージのデザインや「無添加」「国産」「高たんぱく」といった文字が並んでいて、どれを選べばいいのか迷うことがあります。かわいいパッケージに惹かれて買ってみたものの、裏を返したら添加物が多かった、なんてこともあります。
選び方のポイントを知っておくと、パッケージの表ではなく裏面の原材料名を見て「これにしよう」と判断できるようになります。
難しいことはありません。見るべきポイントさえ分かれば、スーパーでもネットでも迷わず選べるようになります。
- 猫のおやつを選ぶときに何を基準にすればいいか分からない
- 「無添加」「国産」といった表示が本当に信頼できるか知りたい
- 原材料の読み方を一度きちんと理解しておきたい
- 初めて猫のおやつを選ぶ
まず確認したいのは「総合栄養食」か「一般食」か

猫のフード・おやつには、日本ペットフード協会が定めた表示基準があります。おやつを選ぶ時にまず確認したいのが、この区分です。
| 総合栄養食 | 水と合わせて与えるだけで、猫に必要な栄養素を満たせると認定された食品。主食として使えます。 |
|---|---|
| 一般食(補完食) | 総合栄養食の基準は満たしていないものの、補助的に与えられる食品。いわゆる「おやつ」の多くはこちら。一般食だけで食事を完結させることはできないので、主食は別に用意が必要です。 |
| 間食・副食 | 一般食よりさらに補助的なもの。おかずやふりかけのようなイメージです。 |
市販の猫用おやつのパッケージには、必ずこの区分が表示されています。
「一般食(補完食)」を大量に与え続けると栄養が偏るので、主食とのバランスを意識することが大切です。
原材料名の読み方3ステップ
日本のペットフードの原材料表示は、「多い順(降順)」に記載されています。最初に書かれているものが一番多く使われている食材です。

先頭2〜3種類を確認する
「チキン」「まぐろ」「とりささみ」など、具体的な食材名が先頭に来ているかを確認します。最初の原材料が食材名なら、その食材が主体のおやつということになります。
「肉副産物」「家禽副産物」が主体でないかを確認する
副産物(内臓・骨・血液など)が悪いわけではありませんが、「何の副産物か」が特定されていない表示は、品質にばらつきがあることがあります。「チキンレバー」「チキンハート」など具体的に書かれているほうが透明性が高いです。
聞きなれない成分の数を数える
増粘剤・保存料・着色料・酸化防止剤の類いは、横文字や化学品名で書かれることが多いです。これらが少なければ少ないほど、シンプルな原材料のおやつと判断できます。
- 3種類以内なら比較的シンプル
- 5種類以上あれば添加物多め
猫のおやつで気をつけたい添加物チェックリスト

以下は、猫のおやつに含まれることがある添加物のうち、気になる場合に確認しておくと安心なものになります。「入っていたら絶対ダメ」ではなく、「知った上で選べるように」という指針です。
防腐剤・保存料
- ソルビン酸カリウム(一般的な保存料)
- 安息香酸ナトリウム(猫の体への影響を懸念する研究あり)
- プロピオン酸(カビ抑制目的)
- 安息香酸ナトリウムについての出典: Bedford, P. G., & Clarke, E. G. (1972). Experimental benzoic acid poisoning in the cat. Veterinary Record.
酸化防止剤
- BHA(ブチルヒドロキシアニソール)
- BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)
- ※トコフェロール(ビタミンE)・ローズマリー抽出物は天然由来の酸化防止剤で比較的安心
着色料
赤色〇号・黄色〇号など(猫には不要な成分。見た目のためだけに使用)
- 赤色102号(ニューコクシン)
一部の国(アメリカなど)では使用が禁止されており、遺伝毒性や発がん性、アレルギーのリスクが懸念されています。 - 赤色106号(アシッドレッド)
発がん性や遺伝毒性に関する懸念があります。 - 赤色3号(エリスロシン)
日本や欧州では使用が認められていますが、国際的な安全基準の違いが浮き彫りになっており、避けるべきとする意見もあります。 - 黄色4号
人間においても大量摂取をしない限り問題ないとの見解がありますが、アレルギーなどの報告もあり、猫への影響も考慮する必要があります。 - カラメル色素
キャットフードにも使用されていることがありますが、健康への影響については議論があります。
増粘剤
- カラギーナン(海藻由来だが腸への影響を懸念する意見もある)
- ジェランガム・キサンタンガム(一般的な増粘剤)
これらが含まれているかを確認するには、商品の裏面を見るか、メーカーの公式サイトで成分表を調べると分かります。
「無添加」「国産」「ヒューマングレード」の表示は本当?
キャッチコピーとして目に入りやすい表示ですが、知っておきたい注意点があります。

「無添加」について
日本ではペットフードに「無添加」と表示する際の法的な基準がありません。
「保存料無添加」なら保存料だけが対象で、着色料・増粘剤は使われていることがあります。「無添加」の文字だけで安心せず、実際の原材料名を確認する習慣が一番確実です。
外国のペットフードにおける無添加基準にも法的な基準がありません。
外国のペットフードにおける「無添加」は、化学的な合成保存料、着色料、香料を不使用とする製品が多いです。特に欧州(EU)は基準が厳しく、原材料の明記が義務化されています。
- ペット先進国(EU・アメリカ・ニュージーランドなど)
添加物に関する基準が厳格です。特にドイツやイギリスなどのEU諸国は、ペットの健康を重視し、人工的な添加物を避ける傾向が強い。 - 「無添加」の定義
多くのブランドが「合成保存料、合成着色料、人工香料」を使用しないことを指しますが、すべての添加物が0である「完全無添加」とは限らず、酸化防止剤(天然由来)などは含まれる場合があります。 - 原材料表示
欧州やアメリカでは原材料の明確な記載が求められ、日本より添加物の制限が厳しい傾向。
無添加おやつにこだわりたい方はこちらの記事をご覧ください。

「国産」について
原材料が国産、製造が国内なのか、意味があいまいなケースがあります。「国産原材料使用」と書かれていても、全量が国産とは限りません。
気になる場合はメーカーに問い合わせるか、原材料の産地が明記されているものを選ぶと安心です。
「ヒューマングレード」について
「人が食べられる品質」を指すことが多いですが、日本の法律上に明確な定義はありません。メーカー独自の基準で使われていることが多いため、参考程度 に捉えるのがちょうどいいです。
一般的に以下の要素が満たされているものがヒューマングレードとみなされます。
- 原材料: 人間が食べる食品と同じ品質の肉、魚、野菜を使用(端材ではない)。
- 施設・製造: 保健所やそれに準ずる機関の認可を受けた工場で、人間用食品と同じ衛生基準で製造・管理されている。
特にドイツではペット先進国であるため、法律(民法90a条「動物は物ではない」)に基づいて人間が口にできる品質が求められる傾向にある。保存料や遺伝子組み換え原材料の使用が厳しく規制されています。
ペットフード安全法について
日本では2009年に「愛玩動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)」が施行されました。
この法律では、農林水産省・環境省が定めた基準に基づいてペットフードへの有害物質の混入や表示偽装を規制しています。
完全に安心とは言い切れませんが、日本で販売されている猫用おやつは、この法律のもとで一定の安全基準をクリアしています。海外製品も、日本の正規輸入ルートで流通しているものであれば、同様の基準で確認されています。
それ以上の安全性を求める場合は、原材料表示を読み、信頼できるメーカーの商品を選ぶという個人の判断になります。
猫のおやつの選び方をシンプルにまとめると

ここまで難しい言葉がならびましたが、要点は次の3つです。
- 裏面の原材料名を見る(先頭に食材名が来ているか)
- 「一般食」か「総合栄養食」か確認する(主食にできるかどうか)
- 添加物の種類が少ないものを選ぶ(3種類以内なら比較的シンプル)
これだけ意識するだけで、選び方が楽になります。
まとめ
猫のおやつ選びで一番大切なのは、パッケージの「表」ではなく「裏面の原材料名を確認する習慣」をつけることです。「無添加」「国産」の文字は参考程度にとどめ、実際の原材料で判断する目を養っていくと、迷いが減っていきます。
じゅにあのおやつを選ぶ時も、最初は裏面を読むのが面倒だと思っていましたが、今は2〜3商品を見比べてシンプルなものを選ぶのが習慣になりました。慣れると数秒で判断できるようになります。
猫のおやつについてさらに詳しく知りたい方はこちら

Q&A
- 子猫のおやつ選びでは、特に何を確認すべきですか?
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着色料・保存料が少ないことと、「子猫対応」または「全年齢対応」の表示がある商品を選ぶと安心です。消化器官が未熟なため、原材料がシンプルなものを優先するとより安全です。
- AAFCO基準やFEDIAF基準って何ですか?
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AAFCOはアメリカ、FEDIAFはヨーロッパの飼料管理・認証機関が定めた栄養基準です。「AAFCO基準に準拠」などの表示がある製品は、これらの基準で必要な栄養素が設計されていることを意味します。特に輸入品を選ぶ時の参考になります。
- 添加物が入っていないと、保存期間が短くなりますか?
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はい、一般的には短くなります。防腐剤・酸化防止剤を使わない商品は賞味期限が短めなことがあります。開封後は特に早めに使い切ることと、密閉容器や冷蔵保存を意識すると安心です。

