新しい環境に来る猫は、期待と同じくらい不安も感じています。だからこそ、迎える側がしっかり準備を整えておくことで、猫も飼い主も安心してスタートを切ることができます。
この記事では、猫との出会い方から初日の過ごし方、揃えておきたいグッズまで、猫を迎える前に知っておきたいことをまとめました。
- 保護猫の譲渡を検討している
- 初日に何をすればいいか不安がある
- これから猫を家族に迎える予定がある
- 必要なグッズを事前に揃えておきたい
- 先住猫がいる環境での多頭飼いを考えている
猫を迎えるまでの流れ
猫を迎えるといっても、いきなり連れて帰るわけではありませんよね。出会いから迎え入れまで、いくつかのステップがあります。
まずは全体の流れを把握しておくと、心の準備もしやすくなります。

基本的なステップ
猫を迎えるまでの流れは、大きく分けて以下の5つです。
- 出会い方を決める(譲渡会・保護団体・ブリーダーなど)
- 家族や先住ペットとの相性を確認する
- 必要なものを揃える
- 家の環境を整える
- 迎え入れ当日の準備をする
それぞれのステップで何をすればいいのか、ここから詳しく見ていきます。
猫との出会い方を選ぶ
猫との出会い方は、いくつかの選択肢があります。それぞれに特徴があるので、自分の生活スタイルや希望に合った方法を選びましょう。

保護猫の譲渡会や保護団体
保護猫を迎える方法は、近年とても増えています。譲渡会や保護団体を通じて猫と出会うメリットは、猫の性格や健康状態をある程度把握できること。
スタッフが日々接しているので、どんな性格か、どんな環境が合うかなど、丁寧に教えてもらえます。譲渡には条件がある場合が多いですが、それは猫が安心して暮らせる環境を確保するためです。
保護団体によっては、譲渡後もサポートしてくれるところもあるので、初めて猫を迎える方には心強い選択肢です。
保護猫を迎えるのに役立つ情報はこちらの記事で詳しく説明しています。

ブリーダーやペットショップ
特定の品種を迎えたい場合は、ブリーダーやペットショップという選択肢もあります。
ブリーダーから迎える場合は、親猫や兄弟猫の様子を見られることが多く、どんな性格に育つかイメージしやすいのが特徴です。信頼できるブリーダーを選ぶことが大切なので、事前に見学や相談ができるかを確認しましょう。
ペットショップは気軽に足を運べる一方、生体の管理状況や健康状態をしっかり確認することが重要です。
知人や地域からの譲渡
友人や知人、地域の掲示板などを通じて譲渡してもらう方法もあります。
この場合、猫の生い立ちや性格を直接聞けるので、安心して迎えられるのがメリットです。ただし、健康診断やワクチン接種の状況は事前に確認しておきましょう。
家族や先住ペットとの対面
猫を迎える前に、家族全員が納得しているか、先住ペットがいる場合はどう対応するかを考えておく必要があります。

家族全員の理解を得る
猫との暮らしは、長い時間を共にすることになります。だからこそ、家族全員が納得して迎えることが大切です。
特に小さな子どもがいる家庭では、猫の扱い方や接し方を事前に話し合っておくと、トラブルを避けられます。猫にもストレスがかからず、家族みんなが安心して過ごせる環境を整えましょう。
先住猫や犬がいる場合
先住ペットがいる場合、新しい猫との相性は慎重に確認する必要があります。
最初から同じ空間にするのではなく、少しずつ距離を縮めていくのが基本です。においを慣れさせたり、ケージ越しに対面させたりと、段階を踏むことで、お互いが安心できる関係を築けます。
焦らず、それぞれのペースを尊重することが何より大切です。
先住ペットとの対面についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

初日の環境づくり
猫を迎える初日は、猫にとって大きな変化の日です。できるだけストレスを減らし、安心できる環境を整えてあげましょう。

静かで落ち着ける場所を用意する
初日は、猫が落ち着けるスペースを一つ用意してあげるのが理想です。
リビングなど人の出入りが多い場所ではなく、静かな部屋や一角を選びます。そこにトイレ、ごはん、水、ベッドを配置し、猫が自分のペースで探索できるようにしましょう。
無理に触ろうとせず、猫が自分から近づいてくるのを待つ姿勢が大切です。
隠れられる場所をつくる
猫は警戒心が強い動物なので、隠れられる場所があると安心します。
段ボールやキャリーバッグ、ベッドなど、猫が身を隠せるスペースを用意しておきましょう。最初は隠れていることが多くても、少しずつ慣れてくれば自然と出てきます。
焦らず、猫のペースを尊重してあげてください。
危険なものは片付けておく
猫を迎える前に、部屋の中を点検しておきましょう。
電気コード、観葉植物、小さな誤飲しそうなもの、窓や網戸の隙間など、猫にとって危険なものはたくさんあります。特に子猫は好奇心が強く、何でも口に入れてしまうので注意が必要です。
事前にしっかり片付けておくことで、安全に過ごせる環境を整えられます。
猫を迎えるための環境作りに関してはこちらの記事で詳しく説明しています。

多頭飼いの注意点
すでに猫を飼っている場合、新しい猫を迎えるときには慎重な対応が求められます。

最初は別々の空間で過ごさせる
新しい猫を迎えたら、まずは先住猫と別の部屋で過ごさせるのが基本です。
お互いのにおいに慣れさせるため、タオルやおもちゃを交換したり、ケージ越しに対面させたりします。少しずつ距離を縮めていくことで、ストレスを減らせます。
焦って同じ空間にすると、ケンカやストレスの原因になるので注意しましょう。
ごはんやトイレは別々に用意する
多頭飼いでは、ごはんやトイレを別々に用意することが大切です。
特にトイレは、猫の数プラス1個が理想とされています。共有することでストレスを感じる猫もいるので、それぞれが安心して使える環境を整えましょう。
ごはんも、取り合いにならないよう別々の場所で与えると安心です。
先住猫を優先する
新しい猫を迎えると、どうしても新入りに目が向きがちです。
でも、先住猫にとっては自分の縄張りに新しい存在が来ることで、不安やストレスを感じます。だからこそ、先住猫を優先してあげることが大切です。
ごはんやおやつを先にあげる、声をかけるときも先住猫からなど、小さな配慮が安心感につながります。
揃えておきたいもの
猫を迎える前に、最低限必要なものを揃えておきましょう。初日から安心して過ごせるよう、事前準備が大切です。

キャリーバッグ
猫を連れて帰るとき、動物病院へ行くときなど、キャリーバッグは必須アイテムです。
上から入れるタイプや横から入れるタイプ、折りたたみできるタイプなど、種類はさまざま。猫が嫌がりにくいものを選ぶと、移動のストレスも減らせます。
できれば迎える前に用意しておくと、初日からスムーズです。
トイレと猫砂
猫のトイレは、できるだけ大きめのものを選びましょう。
猫は砂をかく習性があるので、小さすぎると使いにくく、トイレ以外で排泄してしまうこともあります。猫砂も、鉱物系、紙系、木系など種類があるので、猫の好みや掃除のしやすさで選びます。
最初は迎える前に使っていた猫砂と同じものを用意すると、スムーズにトイレを覚えてくれます。
ごはんと水の器
ごはんと水の器は、安定感があって倒れにくいものが理想です。
陶器やステンレス製の器は清潔に保ちやすく、猫にとっても安心です。水は新鮮なものをいつでも飲めるよう、複数の場所に置いておくのもおすすめです。
自動給水器を使うと、留守中でも新鮮な水を飲ませられます。
ベッドや毛布
猫が安心して休める場所として、ベッドや毛布を用意しましょう。
最初は段ボールにタオルを敷いただけでも十分です。猫が気に入った場所で寝ることが多いので、無理に使わせる必要はありません。
寒い季節には温かい素材のものを、暑い季節には通気性の良いものを選ぶと快適です。
フードと水
迎える前に食べていたフードと同じものを用意しておくと、環境の変化によるストレスを減らせます。
いきなり違うフードに変えると、お腹を壊すこともあるので注意が必要です。フードを変える場合は、少しずつ混ぜながら慣らしていきましょう。
水は新鮮なものをいつでも飲めるよう、毎日取り替えることが大切です。
爪とぎ
猫にとって爪とぎは、爪のケアだけでなくストレス解消にもなる大切な行動です。
段ボール製、麻製、カーペット製など、素材や形はさまざま。猫の好みもあるので、いくつか試してみるのもいいでしょう。
家具で爪とぎをされないよう、早めに専用のものを用意しておくと安心です。
おもちゃ
猫が遊べるおもちゃも、いくつか用意しておきましょう。
羽根つきのじゃらし、ボール、ぬいぐるみなど、猫が興味を持ちそうなものを選びます。遊びを通じて信頼関係を築けるので、コミュニケーションのツールとしても大切です。
ただし、誤飲しないよう、小さすぎるものや壊れやすいものは避けましょう。
猫を迎える時の準備リストについてはこちらの記事で詳しく説明しています。

よくある質問
猫を迎える前に、多くの方が気になる疑問をまとめました。
初日はどれくらい様子を見ればいい?
初日は、猫が環境に慣れるまで静かに見守るのが基本です。
無理に触ろうとせず、猫が自分から近づいてくるのを待ちましょう。隠れていても問題ありません。ごはんと水、トイレが使えていれば、少しずつ慣れてくれます。
焦らず、猫のペースを尊重してあげてください。
トイレを覚えてくれない場合は?
猫は本能的に砂のある場所で排泄する習性があるので、トイレの場所さえ教えてあげれば覚えてくれることが多いです。
もしトイレ以外で排泄してしまったら、その場所のにおいをしっかり消し、トイレに連れて行ってあげましょう。叱らず、根気よく教えることが大切です。
トイレの場所が静かで落ち着ける場所にあるかも確認してみてください。
トイレや猫砂についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

ごはんを食べてくれないときは?
新しい環境でのストレスから、最初はごはんを食べないこともあります。
1日程度様子を見て、それでも食べない場合は、フードを温めてにおいを強くしたり、ウェットフードを少し混ぜたりすると食欲が出ることもあります。
2日以上食べない場合は、動物病院に相談しましょう。
フードを食べてくれない猫についての詳しい記事はこちら。

先住猫と仲良くなれるか心配
猫同士の相性は個体差が大きいので、時間がかかることもあります。
最初は別々の空間で過ごさせ、少しずつ慣れさせていくのが基本です。焦らず、数週間から数か月かけて関係を築いていくつもりで見守りましょう。
ケンカをしても、すぐに引き離さず、様子を見ることも大切です。
猫同士の関係をうまくいかせるコツについてはこちらの記事で詳しく説明しています。

子猫と成猫、どちらを迎えるべき?
子猫は人に慣れやすく、成長を見守る楽しみがあります。ただし、ごはんの回数が多かったり、目が離せなかったりと、手がかかります。
成猫は性格が安定していて、落ち着いた暮らしができるのが魅力です。トイレもすでに覚えていることが多く、初めて猫を迎える方にもおすすめです。
どちらもそれぞれの良さがあるので、自分の生活スタイルに合った方を選びましょう。
どんな猫を選んだらいいかのヒントになる記事はこちら。

まとめ
猫を迎える準備は、猫にとっても飼い主にとっても大切な時間です。
出会い方を決め、家族全員が納得し、必要なものを揃え、安心できる環境を整える。そのすべてが、猫との幸せな暮らしのスタートにつながります。
最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、猫のペースに寄り添いながら少しずつ関係を築いていけば、きっと信頼し合える家族になれます。焦らず、一歩ずつ進んでいきましょう。
新しい家族との暮らしが、あなたにとっても猫にとっても、幸せなものになりますように。
迎える前の最終チェックリスト
- [ ] 出会い方を決めた(譲渡会・保護団体・ブリーダーなど)
- [ ] 家族全員が納得している
- [ ] 先住ペットがいる場合、対面の準備ができている
- [ ] キャリーバッグを用意した
- [ ] トイレと猫砂を用意した
- [ ] ごはんと水の器を用意した
- [ ] ベッドや毛布を用意した
- [ ] フードと水を用意した
- [ ] 爪とぎを用意した
- [ ] おもちゃを用意した
- [ ] 静かで落ち着ける場所を確保した
- [ ] 危険なものを片付けた
- [ ] 動物病院を調べておいた
このチェックリストを参考に、安心して猫を迎えてくださいね。

